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アメリカ成長株: ターニング・ポイント・セラピューティクス(Turning Point Therapeutics):肺ガン治療薬(レポトレクチニブ)を開発

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アメリカ成長株: ターニング・ポイント・セラピューティクス(Turning Point Therapeutics)のアップデート

ターニング・ポイント・セラピューティクス
Turning Point Therapeutics Inc
ティッカーコード:TPTX
上場市場:NASDAQ National Market System

業績についてのリンク
https://stocks.finance.yahoo.co.jp/us/annual/TPTX

以前紹介したターニング・ポイント・セラピューティクス社(参照:ターニング・ポイント・セラピューティクスの概要)が臨床試験を進めている肺ガン治療薬“レポトレクチニブ”についてのアップデートです。

前回のレポートから1年が経過し、現在は臨床試験の第2フェーズから第3フェーズに進んでいます。昨年の12月にはFDA(アメリカ食品医薬品局)によって“画期的治療薬”に指定されました。

画期的治療薬とは、重篤で致死率が高く、治療法が確立されていない病気の治療の目的で開発中の新薬に対して指定されるもので、審査期間が約3ヶ月、発売までの期間が2~3年ほど短くなると言われています。

ただし、画期的治療薬に指定されるためには、計画や構想だけでなく臨床試験での明確な効果を示す結果が必要で、この指定を受けると承認への期待が高まり指定発表の翌日には株価が平均で6%ほど上昇するそうです。

肺ガン治療にはイレッサ、タグリッソ(いずれもアストラゼネカ社)、タルセバ(中外製薬)、ジオトリフ(ベーリンガーインゲルハイム社)などが使われていますが1~2年で効果がなくなりガンが再発してしまうという問題があります。これはガン細胞が分裂を繰り返していくうちに薬剤に耐性を持つ細胞だけが生き残って増えてしまうためです。

上記の肺ガン治療薬は同社のレポトレクチニブを含め、ガン細胞の無秩序の増殖を引き起こしている“キナーゼ”と呼ばれるタンパク質をピンポイントで標的とする“キナーゼ阻害剤”と呼ばれるもので、化学療法で使われる一般的な抗ガン剤よりも副作用が小さいという利点があります。耐性を獲得したガン細胞ではキナーゼの構造の一部が変化してキナーゼ阻害剤が結合できないようにブロックしているのです。

そこで同社はこのブロックをかいくぐってキナーゼに結合できる小さな分子としてレポトレクチニブを設計しました。レポトレクチニブはキナーゼの構造が変化しても確実に結合してその機能を抑えられるので、既存のキナーゼ阻害剤と比べて耐性が出にくく再発の可能性が低いという点が評価されて画期的治療薬に指定されました。

今のところ、キナーゼ阻害剤による薬物療法でガンが再発してしまうと副作用が大きくて負担が重い従来の抗ガン剤治療に切り替えるくらいしか対処方法がありません。

画期的治療薬に指定されたことで一刻も早く承認されることが期待されますが、画期的治療薬の全てが成功を収めるとは限りません。現場に投入されてみないとその実力は分からないという面もあるのですが、レポトレクチニブの今後に注目したいと思います。

会社ウェブサイト
www.tptherapeutics.com

 

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