アメリカ成長株:ショックウェーブ・メディカル(ShockWave Medical)の概要
ショックウェーブ・メディカル
ShockWave Medical Inc
ティッカーコード:SWAV
上場市場:NASDAQ National Market System
業績についてのリンク
https://stocks.finance.yahoo.co.jp/us/annual/SWAV
年齢が上がってくると“動脈硬化”という言葉が気になり始めますが、これは加齢に加えて食事、運動、喫煙などの生活習慣が原因となる場合もあり、多くの人の健康に関わる重要な問題です。
動脈硬化は万病の元とも言われていますが、特に怖ろしいのは心筋梗塞や脳梗塞などの命に関わる病気を引き起こすことにあります。
血管が狭くなるタイプと硬くなるタイプの二種類があり、どちらも総称して動脈硬化と呼ばれています。血管壁周辺に沈着するのがコレステロールであると狭くなり、カルシウムであると硬くなります。
カルシウムの沈着は血管を固くする“石灰化”を引き起こし、血管の弾力性が失われて血流が悪くなったり血管が破れて大出血につながる場合もあります。コレステロール沈着には薬物を使った治療法が確立していますが、石灰化の方には今のところ有効な治療薬が存在しません。
一度起きてしまうと対処が難しい石灰化ですが、これを物理的に破壊するのが今回紹介するショックウェーブ・メディカル社が製造・販売する衝撃波破砕装置です。
衝撃波による破砕は腎臓結石の治療に使われてきた技術を応用したもので、血管に通したカテーテルから石灰化した血管に衝撃波を照射して破壊します。
物理的に破壊する方法としては“ロータブレーター”というカテーテルの先端にダイヤモンドが埋め込まれた強力なドリルで強引に削る方法もありますが、施術が難しく下手をすると血管に穴が空いて大出血を招くリスクもあり扱う医師には高度の技能が求められます。
一方、衝撃波破砕はカルシウムだけを破壊し、血管の損傷を最小限に抑えるためロータブレーターのようなリスクがほぼありません。
同社の衝撃波破砕装置の主な治療対象は腰、太もも、ふくらはぎにある末梢血管でしたが、さらなる市場拡大を狙って心臓の冠状動脈に対象を広げることを目指してきました。心臓冠状動脈は絶え間なく動き続ける心臓の筋肉に血液を供給していて生命維持に特に重要な血管の一つです。
そして今年の2月にFDA(米国食品医薬品局)から重度の石灰化心臓冠状動脈への使用に対する市場前承認を受けることができました。
市場前承認というのは命に関わる重要な医療機器に対して与えられるもので非常に厳しい審査基準が設けられていますが、今回これを通過できたことは大きな意義があります。
現在は石灰化の治療と言えばロータブレーターぐらいしか選択肢がないようですが、心臓冠状動脈でも使用が始まり確実に実績を積んでいけば、同社の衝撃波破砕装置が安全に使用できる定番の石灰化治療ツールとして定着していくことになるかもしれません。
会社ウェブサイト
www.shockwavemedical.com
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