アメリカ成長企業

将来面白いことになりそうなアメリカの成長企業を紹介します。

アメリカ成長株投資に興味のある方はこちらへ

アメリカ成長株:セプテルナ(Septerna):GPCRに特化した経口小分子薬開発会社

アメリカ バイオ ヘルスケア・バイオ
アメリカ成長株 バイオ関連銘柄

アメリカ成長株:セプテルナ(Septerna)の概要

セプテルナ
Septerna Inc
ティッカーコード:SEPN
上場市場:NASDAQ National Market System
業績についてのリンク
https://finance.yahoo.co.jp/quote/SEPN/performance

セプテルナ社は、Gタンパク質共役受容体(GPCR)に特化した新しい経口小分子薬(GPCR治療薬)の発見をリードするバイオテクノロジー企業です。
主に内分泌、免疫・炎症、代謝疾患の3つの治療領域に焦点を当てた新薬候補の開発を進めています。

GPCRは細胞の表面にあるシグナル受容体のタンパク質で、外部からのホルモンや神経伝達物質などのシグナルを受け取り、その情報を細胞内に伝える重要な役割を果たしています。
様々な生理的プロセスに関与しており、心血管系、神経系、内分泌系、免疫系などの多くの生理機能をコントロールしています。

GPCRには約800種類以上の異なる受容体が存在し、様々な疾患に関わっています。
GPCRをターゲットとすることで、多くの病気に対する治療法を開発できる可能性があります。
現在、同社の開発リストには主に以下の治療領域に焦点を当てたGPCR治療薬の新薬候補があります。

1.SEP-786:副甲状腺機能低下症
第1相臨床試験が進行中で、2025年半ばにデータが得られる予定。
副甲状腺ホルモンの不足により、血液中のカルシウム濃度が低下し、筋肉のけいれん、しびれ、疲労感、精神的な混乱などの症状が現れ、重度の場合、心臓の不整脈や発作を引き起こす。

副甲状腺ホルモンと同じ役割をする薬剤としてGPCRに作用し、血清カルシウムレベルを正常範囲に制御することが示されている。

2.SEP-631:慢性自発性蕁麻疹(CSU)とマスト細胞関連疾患
IND(新薬の臨床試験開始)承認に向けた研究が進行中。
CSUにはマスト細胞の異常な活性化が関与し、皮膚にかゆみを伴う発疹や膨疹が持続的に現れる疾患で、炎症によって患者は慢性的なかゆみや不快感に悩まされる。
MRGPRX2(免疫系やアレルギー反応促進に関与するGPCRの一種)に対する抑制薬で、強力かつ持続的な抑制効果を示す。

MRGPRX2は肥満細胞に発現しているため、アレルギー性喘息、アトピー性皮膚炎、結節性痒疹などの肥満細胞が関与する疾患の治療薬となる可能性がある。

3.TSHR NAMプログラム:バセドウ病、甲状腺眼症
TSHR NAM(GPCRの一種である甲状腺刺激ホルモン受容体の抑制薬)の候補となる複数の化合物の絞り込みが進行中。
バセドウ病は甲状腺が過剰にホルモンを分泌する自己免疫疾患で、体重減少、動悸、発汗、神経過敏、眼球突出などの症状が見られる。
甲状腺眼症は甲状腺機能亢進症に関連する眼の疾患で、眼球突出、視力障害、目の痛みや腫れを引き起こし、炎症が眼の周囲の組織に影響を及ぼし、視覚に深刻な影響を与える。

TSHR抑制薬として甲状腺機能亢進症や眼球突出の改善が期待される。
バセドウ病のマウスモデルにおいて、症状の改善を示した。

4.インクレチン受容体プログラム:代謝疾患(肥満および2型糖尿病)
インクレチン受容体(血糖値調節に関与する受容体でGPCRの一種)作動薬の候補となる複数の化合物の絞り込みが進行中。
インクレチン受容体を刺激することで、血糖値制御や体重減少の効果が示された。

 

これらのプログラムは同社の“Native Complex Platform”を活用しており、様々な疾患に対する新しい治療法の開発を目指しています。
Native Complex Platformは、GPCRを標的とした経口小分子薬の創薬を可能にする独自のプラットフォームです。
GPCR治療薬の可能性を最大限に引き出すことを目指しており、同社の豊富な新薬候補の発見と開発につながっています。

幅広い役割を持っているGPCRを標的にし、様々な方法でGPCRシグナル伝達に影響を与えることで、望ましい治療効果の実現を目指しています。

タンパク質が主成分の抗体薬のような不安定で保存が難しく、点滴や注射が必要な生物製剤に比べて、保存が容易で手軽に投薬できる経口小分子薬には患者に大きなメリットがあります。
このプラットフォームにより、全く新しい作用メカニズムを持つGPCR治療薬が登場することが期待されます。

GPCR治療薬は他社でも盛んに開発されており、実用化されている成功例が数多くあります。
特に糖尿病のためのGLP-1受容体作動薬や、高血圧のためのアンジオテンシン受容体抑制薬は近年注目されており、患者数が多い慢性疾患治療において重要な位置を占めています。
同社の開発薬も、成功すれば治療困難な慢性疾患治療に新たな選択肢を提供する可能性を秘めています。

同社の治療薬はどれもまだ開発の初期段階にあり、今後臨床試験を通じて安全性や有効性を確認する必要があり、有効な結果を出して実用化に向けて歩みだすのは当分先の話になりそうです。
しかし、その他のGPCR治療薬の成功例に続く可能性も十分にあり、そうなれば世界中の患者にとって希望の光となります。
そして、新しいGPCR治療薬の探求は同社のプラットフォームを通じてさらに続いていくことになるでしょう。

会社ウェブサイト
https://septerna.com/

 

コメント

タイトルとURLをコピーしました