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アメリカ成長株:PTCセラピューティクス(PTC Therapeutics):希少疾患の患者に希望をもたらす新薬を開発

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アメリカ成長株: PTCセラピューティクス(PTC Therapeutics)の概要

PTCセラピューティクス
PTC Therapeutics, Inc.
ティッカーコード:PTCT
上場市場:NASDAQ National Market System

業績についてのリンク
https://finance.yahoo.co.jp/quote/PTCT/performance

PTCセラピューティクス社は、主に遺伝性疾患や神経変性疾患の治療に焦点を当てたバイオ医薬品企業です。
特にフェニルケトン尿症(PKU)のためのセピアプテリンや、筋萎縮性側索硬化症(ALS)のためのウトレロキサスタットなどの治療薬の開発に注力しています。

その理由として以下が挙げられます。

1.満たされない医療ニーズ
PKUやALSは、いずれも治療法が限られている疾患で、特にALSは進行性の神経変性疾患であり、効果的な治療法が不足しているため患者やその家族にとって大きな問題となっている。
これらの疾患に対する新しい治療法を提供することで、患者の生活の質(QOL)向上を目指している。

2.市場の成長ポテンシャル
PKUやALSの治療市場は患者数が限られているにもかかわらず、治療法の革新に対する需要が高まっている。
特にPKUのセピアプテリンは、従来の治療法では十分にコントロールできない患者、現在の治療法に失敗した患者、治療を受けていない患者など幅広いPKU患者集団に対応できる可能性がある。

3.科学的専門知識
同社は遺伝性疾患や神経変性疾患に関する深い科学的知識と専門性を持っており、これを活かして効果的な治療法の開発を進められる。

4.患者への影響
同社は制限が厳しい患者の生活改善を企業の使命として掲げており、PKUやALSの患者に対する新しい治療法の開発は、同社の社会的責任を果たすことにつながる。

現在、その他の開発薬も含めて以下の臨床試験が進行しています。
・PTC518(ハンチントン病):第II相臨床試験が進行中
ハンチントン病は筋肉の硬直や不随意運動を引き起こし、徐々に運動能力や自立した生活が難しくなる遺伝性の神経変性疾患。
PTC518はハンチントン病の原因となるHTT遺伝子の発現を抑制する、経口投与可能な低分子薬。

・ウトレロキサスタット(筋萎縮性側索硬化症、ALS):第II相臨床試験が進行中
ALSは運動神経が徐々に破壊されていく神経変性疾患で、有効な治療法は限られている。
ウトレロキサスタットはALSの発症に関与すると考えられているフェロトーシス経路を標的とした新しい作用ポイントを持つ治療薬。

・セピアプテリン(フェニルケトン尿症、PKU):第III相臨床試験を終了し、薬事承認申請に向けて準備中
PKUはフェニルアラニンを分解する酵素が欠損しているために体内にフェニルアラニンが蓄積し、様々な神経障害を引き起こす遺伝性疾患。
セピアプテリンはフェニルアラニンの代謝を助けることで体内のフェニルアラニン濃度を低下させる治療薬として期待されている。

・バチキノン(フリードライヒ運動失調症、FA):第III相臨床試験を終了し、2024年12月にNDA申請予定
FAは遺伝子の変異によりミトコンドリアの機能が低下し、神経や筋肉に障害が生じる遺伝性疾患。
バチキノンはミトコンドリアの機能を改善することでFAの進行を遅らせる効果が期待されている。

この中では、特にユニークなアプローチによる開発薬としてALS治療薬であるウトレロキサスタットが挙げられます。
これは従来とは異なる経路やメカニズムを利用した全く新しい薬であるという点で、より革新的な治療薬です。

ウトレロキサスタットはフェロトーシスと呼ばれる鉄依存的な細胞死の経路を標的としています。
この経路は細胞内の鉄が過剰に蓄積することで発生し、神経細胞の損傷や死を引き起こすと考えられています。

ALSの発症には様々な要因が複雑に関わっているとされていますが、フェロトーシスが発症に重要な役割を果たしているという証拠が近年蓄積されてきています。
ウトレロキサスタットは、15-リポキシゲナーゼという酵素を阻害することでフェロトーシスを抑制すると考えられています。
この酵素は細胞膜の脂質を酸化し、フェロトーシスを促進する物質を産生しますが、ウトレロキサスタットは、この働きを抑えることで神経細胞をフェロトーシスから保護すると期待されています。

従来の治療法はALSの進行を遅らせたり、症状を緩和したりすることを目的としていますが、根本的な治療法はまだ確立されていないため新しい治療法が求められています。
臨床試験で良好な結果が得られれば、ALS治療に新たな道を開く画期的な薬となる可能性があり、今後の経過に注目したいと思います。

会社ウェブサイト
https://www.ptcbio.com/

 

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