アメリカ成長株:オプティマイズRx(OptimizeRx)の概要
オプティマイズRx
OptimizeRx Corp
ティッカーコード:OPRX
上場市場:NASDAQ Small Cap
業績についてのリンク
https://stocks.finance.yahoo.co.jp/us/annual/OPRX
新型コロナウイルスのパンデミックによってテレワークなどの非接触型の業務が推進されましたが、医療現場でも通院による感染リスクを避ける“オンライン診療”の導入が進みました。
オンライン診療は感染対策になるだけでなく効率化による医療費削減にも貢献することもあって特に米国では急速に広がっています。
その理由として、コロナ禍以前から米国の政策として電子医療記録(EHR)が着々と進められていたことが挙げられます。電子医療記録は、病院・薬局・介護施設・保険会社などの医療に関わるスタッフの間で患者の情報をスムースに共有する上でベースとなるものです。
電子化が遅れ医療記録が完全に共有されることがなく何回も同じ検査をしたり薬が重複したりと酷い状況が長らく続いている日本の状況を見れば、電子化のメリットの大きさは明らかです。元々電子医療記録が進んでいた米国にとっては、今回のコロナのパンデミックは帆を張っていたところに順風が吹いた形となってオンライン診療もトントン拍子で広がりました。
今回紹介するオプティマイズRx社は、電子医療記録を利用し、医療関係者だけなく患者のための情報サービスも提供しています。
スマホのアプリを使って患者に提供されるのは
・薬の副作用管理のサポート
・モバイル版の薬購入カード
・服薬の時間を知らせるアラート機能
・運動、食餌療法をサポートするメッセージとコンテンツ
・疾病管理のヒントとガイダンス
・健康データの管理
・オンライン相談
などのオンラインサービスです。
このような患者向けのサービスは同社の“ポイント・オブ・ケア”という概念に基づいた患者中心の目線から生まれています。
一人の患者を中心に見た場合、生涯に渡って多くの医師・看護師・薬剤師・介護士などが関わることになりますが、どのタイミングで誰が担当しても患者の医療情報に容易にアクセスして最適な処置ができるようなシステムを目指しています。
米国では高齢化によって医療ニーズが上昇していて、医療人材の不足の解消やスタッフの労働時間の圧縮などにオンライン診療は大きく貢献しています。
一方で、オンライン診療には多くの多くのメリットがありますが、以下のような事が難しいというデメリットもあります。
・触診
・レントゲンや採血などの検査
・顔色、歩き方、匂いのような細かな情報を得ること
・注射や薬の投薬などの処置
・患者と医師の信頼関係の構築
このため、完全に対面診療と置き換えられるものではありません。また、電子化・オンライン化を否定するわけではありませんが早急に進められた結果、患者のケアがないがしろにされてしまっては本末転倒です。
オンライン診療にできることできないことを明確化し、対面診療の代替手段として安易にオンライン化に走るのではなく、両者をお互いに補う形でうまく併用していくことが望まれます。
電子化・オンライン化が急速に進む今こそ、同社のポイント・オブ・ケアのような「患者中心の考え方」が大切になってくるのではないでしょうか。
会社ウェブサイト
www.optimizerx.com
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