アメリカ成長株: オーリーズ・バーゲン(Ollie’s Bargain)のアップデート
オーリーズ・バーゲン・アウトレット・ホールディングス
Ollie’s Bargain Outlet Holdings Inc
ティッカーコード:OLLI
上場市場: NASDAQ
業績リンク
https://stocks.finance.yahoo.co.jp/us/annual/OLLI
オーリーズ・バーゲン・アウトレット・ホールディングス社は典型的な、ディスカウントショップで、特殊な仕入れを行い、大幅な割引価格で販売しています。
オーリーズ社については、2020年9月28日に紹介しました。下記のページも参照ください。
→ オーリーズ・バーゲン(Ollie’s Bargain)の概要
コロナ後の消費回復を見越した業績回復期待により、株価は2020年3月の安値から2020年の夏にかけて3倍以上と急上昇しました。しかし、その後業績の低迷もあり、現在はコロナ時の最安値近辺まで売られています。
まず大きな流れとして、逆風となったのがサプライチェーンの混乱です。海外からの輸入については貨物船の運用、国内での輸送についてはトラック輸送がそれぞれ混乱したため、商材の仕入れがうまく行きかず、さらに仕入れコストが急増しました。
2021年8月~10月期の業績は売上高が対前年比7.5%減、最終利益はさらに厳しく対前年比49%減となり、ともに市場予想を下回りました。既存店売上高も、市場予想は9.3%減であったのに対し、15.5%減でした。サプライチェーンの問題があったため、市場予想自体もかなり弱気でしたが、その弱気予想をさらに大きく上回る大幅減益となり、株価は90ドルから50ドルまで急落しました。
株価はその後もインフレ亢進と金融引き締め懸念により低迷しています。業績の下落トレンドは、2021年11月~2022年1月期も下落傾向が継続しました。引き続きサプライチェーン問題があったことに加えて、賃金上昇によるコストアップもあったため、利益率は従来の40%前後から35%程度まで下落しています。但し、この四半期については、市場予想をやや上回り、少しずつ厳しい外部環境に適応してきたかの期待がありました。
しかし、2022年6月8日に発表となった、2022年2月~4月期の決算は再び厳しい内容となりました。サプライチェーンの混乱、燃料価格上昇、賃金上昇により、販売価格の上昇を余儀なくされていますが、この価格上昇が売上高の減少を招ねきました。売上高は市場予想が417百万ドルに対して406百万ドルでした。既存店売上高も、対前年同期比17.3%の大幅減少となっています。
コストの上昇によるマージン悪化で、利益はさらに厳しいことになっています。市場予想は一株当たり30セントでしたが、実績は20セントでした。対前年比較では76.2%の大幅な減益です。
ここ数週間、小売業界の決算内容の酷さが注目を集めています。大手ディスカウントストアであるターゲット(TGT)も決算発表後に急落しています。まだ、しばらくは小売り業界の業績は厳しき状況が続きそうです。
しかし、株価を見ると最近少し底入れの兆しもあります。水準としてはかなり低い株価となっており、予想外に悪い決算内容にも株価はあまり下がらなくなってきています。モメンタムの変化を探る局面になってきたと思っています。
会社のIRウェブサイト
https://investors.ollies.us/investor-home
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