アメリカ成長株: インジェビティ(Ingevity)の概要
インジェビティ
Ingevity Corp
ティッカーコード:NGVT
上場市場:NYSE
業績についてのリンク
https://stocks.finance.yahoo.co.jp/us/annual/NGVT
現在多くの企業が地球環境への悪影響、あるいは地球環境改善への貢献、という視点で評価されています。特に、環境負荷の高い製品を作っているメーカーの場合、そのプラス・マイナスは企業評価に大きな影響を及ぼします。
今回紹介する、インジェビティ社は、「主に植物由来の材料を使って生産している化学製品メーカー」です。地球環境に貢献する化学メーカーと言えます。インジェビティ社の社是は「浄化し、保護し、強化すること( Purify, Protect, Enhance)」で、化学製品を使って社会の改善を目指しています。
インジェビティ社は、もともと段ボール等を作るウェストロック社(WestRock、全米第2の大手段ボール製造会社。NY証券取引所上場 WRK)の特殊化学品部門でした。2016年5月に、特殊化学品(Performance Chemicals)および高性能炭素製品の2 部門をスピンアウトしてインジェビティ社となり、NY証券取引所に上場しています。
現在の売上品構成はパフォーマンス化成品(Performance Chemicals)58%、パフォーマンス素材(Performance Materials)42%となっています。生産設備は、米国(5工場)、英国(1工場)そして中国(2工場)にあります。また、売上高の地域別内訳は、北米55%は北米、29%はアジア・パシフィック、15%は欧州・中東となっており、世界全体に展開する企業です。
インジェビティ社の特徴の一つは、主に生物由来の材料を使っていることです。材料の77%が「再利用している材料」でおがくずや粗トール油といった植物から作られるものであり、化石燃料への傾斜が低いことが「エコ」という印象を与えています。
一般的に「エコ」にこだわると「経済性」という問題が起きると懸念されますが、同社の場合は主要商品の市場シェアが高いことから、「エコと経済性の両立」を達成していると言えます。
例えば、主な商品の市場シェアは次の通りです。
・自動車向けにガソリン蒸気の排出量を削減する炭素部品:1位
・道路舗装材料(アスファルト等):1位~2位
・産業向け特殊化成品(接着剤、農薬、潤滑剤、中間財、印刷インキ等):1位~2位
・各種特殊ポリマー:1位
コロナ禍により2020年はやや成長が鈍ったものの、2021年に入って売上は急増しています。2021年第二四半期の業績は、売上高:対前同期比32.4%増、修正EBITDA:対前年同期比75.1%増、と非常に好調となっています。
特に、修正EBITDA率の急激な改善(24.8%→32.8%)は、売上増に加えて需要増に伴う製品価格の上昇が主な要因でした。
化学製品は様々な経路で地球環境の改善につながっています。同社の場合、その材料も生物由来のため、ダブルでエコな会社と言えます。今後とも成長が期待されると思っています。
会社ウェブサイト
www.ingevity.com
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