アメリカ成長株:ダックホーン・ポートフォリオ(Duckhorn Portfolio)の概要
ザ・ダックホーン・ポートフォリオ
Duckhorn Portfolio Inc
ティッカーコード:NAPA
上場市場:NYSE
業績についてのリンク
https://stocks.finance.yahoo.co.jp/us/annual/NAPA
お酒関係の事業は、コロナ前、コロナ禍、コロナ後という3つの時期に、大きな変化のあった業界です。飲食店はロックダウンによって売上が激減したものの、「自宅飲み」は逆に増えていたため、「飲酒量全体」ではマイナスではありませんでした。
しかし、「お店飲みと自宅飲みの好みの違い」、「所得層ごとの好みの違い」、「販売チャネルの違い」により、生産者には勝者と敗者がでています。今回紹介するダックホーン・ポートフォリオ社(以下ダックホーン社)は、高級ワインに焦点をあてた醸造を行う会社で、コロナをうまく勝ち抜いた会社です。
米国のワインはほとんどカリフォルニア州のナパバレーで生産されています。ダックホーン社はこのナパバレーにあるいくつかの醸造所(=ブランド名になる)を「把(たば)」として保有(=ポートフォリオ)している会社です。尚、同社のチェッカーコードはNAPAです。
当社は、1976年にダックホーン夫妻によって創業されたワイン醸造所(ブドウ畑を含む)からスタートしました。その後、新しいブランドの創出(=新しい畑に、その場所にあうブドウの種類を植えてワインを作り出す)や、他の醸造所を買収することにより、事業を拡大してきました。2005年、現在の社長を迎え入れ、その後多くの財務系スタッフも採用して2016年に現在の会社となり、2021年に上場しています。
現在、所有している主なブランドは以下の通りです。(値段は楽天で紹介されている値段帯です。)
・ダックホーン(Duckhorn): 3000円~15000円
・デコイ(Decoy):3000円~5000円
・ゴールデンアイ(Goldeneye) :3000円~13000円)
・パラダックス(Paraduxx):5000円~12000円
・マイグレーション(Migration):5000円程度
・キャンバスバック(Canvasback):3500円~10000円
・カレラ (Calera):3000円~28000円
・コスタブラウン(Kosta Browne)11000円~33000円
・グリーンウィング(Greenwing):4000円程度
・ポストマーク(Postmark)3000円~4000円
「超高級」という感じではないのですが、かなり高めのワインに焦点をあてて、生産していることがわかります。
同社の業績は「安定成長+高収益」という感じです。複数のブランド持つことでリスクを分散し、安定した生産をしています。
まず成長率ですが、年率で一桁の後半後半の成長を続けており、爆発的な成長ではありませんが、「安定成長」を達成しています。
販売は、特定の販売業者に依存せず、自社のECサイトも活用しながら、多くの販売業者を通じて効率的に販売することで、高い収益率を達成しています。EBITDAマージンは30%~40%となっており、日本の酒造メーカーの10%~20%に比べてかなり高い収益率となっています。
アメリカ、特に西海岸は毎年のように「異常高温」が発生しており、カリフォルニアのワイン畑は、ここ数年山火事に見舞われています。しかし、同社の場合、複数のワイナリーを持つことで、リスクのヘッジをしています。
一方需要サイドは、コロナ後にたまった貯蓄のはけ口が「贅沢消費」「プチ贅沢消費」に向かいやすい環境にあります。ビールやスピリッツに比べて「高額」なブランドワインは、高所得層の消費ターゲットとなりやすい環境にあります。
さらに、「ワイン」+「旅行・飲食」を掛け合わせた消費もあります。今アメリカでは、高級ワイナリーをめぐる旅がブームだそうです。
同社のウェブサイトにいけば「ワイン醸造所でテイスティングしながら、食事を楽しみませんか?」という紹介がされていますが、「ソールドアウト」も散見されます。
ブランドごとに、いろんなイベントが計画されています。
基本的な安定成長に加えて、コロナ後の高額消費ブームという追い風もあり、注目したい会社です。
会社ウェブサイト
https://www.duckhornportfolio.com/
それぞれのワイナリーには下記のウェブサイトから訪問できます。それぞれワイナリーごとに「VISIT」があり、見ることができます。
https://www.duckhorn.com/
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