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アメリカ成長株:ミリオン・テクノロジーズ(Mirion Technologies):放射線の計測器メーカー

産業機械

アメリカ成長株:ミリオン・テクノロジーズ(Mirion Technologies)の概要

ミリオン・テクノロジーズ
Mirion Technologies Inc
ティッカーコード:MIR
上場市場:NYSE(ニューヨーク証券取引所)
業績についてのリンク
https://finance.yahoo.co.jp/quote/MIR/performance

ミリオン・テクノロジーズ社は、放射線の検知、測定、分析、モニタリングの事業を世界12カ国で展開するグローバルプロバイダーです。
“Nuclear & Safety(原子力&セーフティ)”と“Medical(医療)”の2大事業を柱とし、主に原子力、医療、防衛、研究分野にソリューションを提供しています。

2つのセグメントの具体的な事業内容は以下のとおりです。

1.Nuclear & Safety(原子力&セーフティ)セグメント
・放射線検知・監視・測定システム
発電所、研究所、軍事現場などの作業員や施設のために放射線のリアルタイム検知、環境モニタリング、緊急時対応システムを提供。
線量計、探知モジュール、監視ネットワークなどのデバイスを提供。

・作業員・施設被ばく線量管理サービス
被ばく線量バッジ、無線式個人線量計などを用いた被ばく量管理サービスを提供。
データ集計・レポーティングや規制に応じた対応を支援。

・機器の校正・検査・保守メンテナンス
既存設備の周期的な校正、ソフトウェアアップデート、機器交換、予防保守により、システムの安定稼働と長期的な信頼性を確保。

・研究・学術機関向け特殊測定技術
素粒子実験の加速器のような大規模科学実験装置のための目的特化型の検出器、解析ソフトウェア、試験ラボ用システムを提供。

・防衛産業用ソリューション
軍や警察、NATO加盟国などに対し、放射線検知・分析装置、携帯可能な放射線検知・測定・防護装置を供給。

2.Medical(医療)セグメント
・放射線によるガン治療の測定・検証・管理
放射線治療装置のための校正や点検に使う高精度の測定装置を提供。
臓器を模した疑似人体を使った物理的な検証により放射線治療機器の性能試験や照射計画を支援。
SunCHECKR(放射線治療ワークフロー統合管理)やDoseLab(放射線治療用の画像解析)などのソフトウェアを提供。

・核医学・分子イメージング
PET(陽電子)やSPECT(単一光子)用の断層撮影装置、標準線源(正確に決められた放射能強度の放射線源)、シンチレーションカメラ(臓器や腫瘍の分布を可視化する装置)を提供。
医療現場での診断や新薬治験等のための放射線測定サービスを提供。

・職業被ばく管理・診断用モニタリング
医療従事者・患者ごとに個別線量モニタリング装置やバッジ、クラウド連携データ管理サービスを提供。

・サービス・保守・デジタルサポート
ハードウェアの保守、計測データ解析サポート、サイバーセキュリティ対応やIT統合などを提供。
これらの中で原子力&セーフティセグメントでは、世界的な原子力発電によるインフラ強化の流れを受けて、小型モジュール炉(SMR)の導入促進や既存設備の近代化が追い風となり、原子力市場からの大規模なオーダーやアップグレード需要が増加しています。

これには、CO2を排出せずにAI用データセンター増設や電気自動車の普及などに伴う電力需要の増大に対応するには、原子力発電に頼らざるを得ないという背景があります。

2011年に福島原発事故という過酷な経験をした日本でさえ、原発の再稼働や新増設に舵を切っていることからも、その現実がうかがい知れます。

また医療セグメントでは、放射性医薬品需要や分子診断領域の拡大が追い風となり、核医学機器・分子イメージング向け製品(PET/SPECT用計測器やシンチレーションカメラ等)が、北米・欧州・新興国で高成長を遂げています。
これは、医療費の長期的な抑制が求められる中、病気の早期発見と治療効果の向上を目指す医療機関からの投資が増加しているためです。

原子力や放射線は、エネルギーや医療分野での利用価値が高い反面、人体被爆の危険を伴うため、検出、測定、監視などの技術が重要です。
同社は高感度な検出装置や測定・分析技術を活用し、最先端の放射線管理ソリューションを提供することで、今後も利用が進むと考えられる原子力や放射線治療といった主要市場、および防衛・研究分野のニーズに応え、リーダーシップを強化しながら事業拡大していくことになるでしょう。

会社ウェブサイト
https://www.mirion.com/

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