アメリカ成長株: マドリガル・ファーマシューティカルズ(Madrigal Pharmaceuticals)の概要
マドリガル・ファーマシューティカルズ
Madrigal Pharmaceuticals Inc
ティッカーコード：MDGL
上場市場：NASDAQ National Market System
業績についてのリンク
https://finance.yahoo.co.jp/quote/MDGL/performance
マドリガル・ファーマシューティカルズ社は、NASH（非アルコール性脂肪肝炎）の治療に焦点を当てた医薬品や治療法の開発に取り組んでいます。
NASHとは、アルコールの摂取とは関係なく肝臓に蓄積した脂肪が肝細胞を刺激し、炎症や線維化を引き起こしている状態を指します。
この状態を放置すると、肝硬変や肝臓ガンを発症して命に関わることになりかねません。
一般的に脂肪肝や肝硬変と言えば、飲酒が習慣化している人の問題と思われがちですが、肥満、糖尿病、運動不足などでも起こります。
皮下脂肪と違って脂肪肝のような内臓脂肪は外からは分かりにくいため「お酒は飲まないから、痩せているから」と思っても油断できない厄介な病気です。
ごはん、パン、麺類、果物などの糖質の過剰摂取と運動不足が重なると、エネルギーとして使われなかった糖質が肝臓で中性脂肪に変えられて蓄積するからです。
脂肪肝からNASHに進行すると肝臓に炎症が起き、細胞が死んで硬くなって線維化します。
こうなると肝機能が大幅に失われて肝硬変の状態になり、健康に大きな悪影響を及ぼすようになります。
NASH自体は自覚症状が全く出ないため、気づいたときにはすでに病状が進行している場合が多く、早期に発見して治療することが重要です。
同社はNASHの病態の改善を目的とした治療薬であるレズディフラ（Rezdiffra、一般名：resmetirom）の開発を進めてきました。
これは、肝臓の主な甲状腺ホルモン受容体であるTHR-βを活性化する薬剤で、肝細胞への脂肪酸の取り込み、脂肪酸の燃焼を促進する作用があります。
そして今年の３月、レズディフラはFDA（アメリカ食品医薬品局）による迅速承認を受けて販売までこぎ着け、世界初のNASH治療薬として患者に新たな希望をもたらすこととなりました。
NASHまで進行した肝臓の線維症の停止・解消、炎症の緩和などの効果が認められた結果です。
NASH治療薬の開発は、ノボノルディスクファーマ、イーライリリー、ファイザーなどの大手製薬メーカーがしのぎを削っていましたが、同社が先頭を切る形となりました。
現在同社はレズディフラの効果や安全性を確認するための追加の臨床試験や後期試験を計画しており、引き続き有効性を検証する取り組みを続けていく予定です。
また、レズディフラの製造と供給の拡大にも取り組んでおり、一日も早く多くのNASH患者にこの新たな治療法を提供できるようになることを目指しています。
NASHは運動や食事療法で改善する場合もありますが、これは生活習慣病にも言えることですが、自覚症状のない患者に長期間にわたって運動を続けさせたり、食事を制限するのは困難です。
NASHは比較的ポピュラーな疾患で、世界での非アルコール性脂肪肝の有病率は25％で、そのうちの25％（16人に一人）がNASHに罹患していると言われています。
世界では肥満や２型糖尿病などの生活習慣病が増加傾向にあり、NASHの患者数もそれに比例して増えていくと考えられます。
現在同社のレズディフラはFDA承認された唯一のNASH治療薬です。
他の競合薬の開発進行状況、レズディフラの長期的な効果と安全性、価格設定などの状況の変化を考慮する必要もありますが、この市場を独占できる可能性もあり、大きなチャンスが訪れていると言えるでしょう。
会社ウェブサイト
https://www.madrigalpharma.com/
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