アメリカ成長企業

将来面白いことになりそうなアメリカの成長企業を紹介します。

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アメリカ成長株: KBR:米軍やNASAが使うエンジニアリング会社

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アメリカ成長株: KBRのアップデート

KBR Inc
KBR
ティッカーコード:KBR
上場市場:NYSE

業績についてのリンク
https://finance.yahoo.co.jp/quote/KBR/annual

ロシアのウクライナ侵攻により、世界の安全保障環境は悪化しています。安全保障関連の予算は世界中で増加しています。一方、ESGは長期的なテーマです。

しかし、一般的には「防衛関連」と「ESG」は相反する考えであり、防衛関連株は(エネルギー関連株と同様)ESG投資の対象外となっています。

もっとも、ウクライナ侵攻以降、防衛関連株とエネルギー関連株が大幅上昇したため、多くのESG関連ファンドは逆風が吹いています。

今回紹介するKBRは、防衛関連でありながら、ESG関連株ともいえる会社です。
KBRは防衛関連のエンジニアリング会社で、2020年3月に紹介しました。
→ KBRの概要

当時の株価は22ドル前後でしたが、その後、株式市場全体の上昇+ウクライナ侵攻による防衛関連株の上昇により2022年4月には56ドルまで上昇しました。この半年は金利上昇もあり下げているものの、それでも48ドル前後と非常に底堅い動きとなっています。

同社のビジネスは、政府関連(Government Solutions、主に防衛関連)と環境関連(Sustainable Technology Solutions)の2つの事業分野があります。

まず、政府関連事業ですが、ウクライナ侵攻により追い風が吹いています。同社の業績の大きなトレンドは、米国政府の国防予算の趨勢が決めますが、2022年の米国の国防予算は対前年比6%増となります。NASAも同社の重要なクライアントですが、NASAの予算は3%増が見込まれています。

ウクライナ侵攻により欧州諸国の予算増加はすさまじく、例えば英国の場合は25%増加となっています。同社はVIMA社(英国会社で、防衛関連のDX化のスペシャリスト)を買収することで、この市場の成長機会を獲得しようとしています。

次に環境関連事業ですが、こちらもウクライナ侵攻の追い風をうけています。エネルギー、化学、食料生産の安全を確保するための様々なプロジェクトやオペレーションが企画されていますが、これらも同社にとって新たなビジネス機会を提供します。また、カーボンゼロエミッション削減推進に向けた投資は長期的に加速します。

この分野では、2022年6月1日にはMura Technology社 (以下Mura社)に1億ドルの追加出資を行い、18%の株主となりました。Mura社はプラスチックのリサイクル技術を持つ会社です。Mura社 のプラスチック・リサイクル・プロジェクトの開発加速のための資本を提供することで、この成長分野への参画を狙います。既に2021年よりKBR社はMura社の独占的なライセンス パートナー契約を締結して提携していましたが、今回の出資により一段と強い提携となります。

直近の決算も好調で、2022年第二Qの売上高は対前年同期比5%、EBITDAは19%増加しています。

中国、ロシアといった強権的国家と民主主義国家との軋轢はしばらくは厳しくなることが予想されています。世界的に国防予算は高い成長が期待されます。さらに同社の場合は、国防関連事業で培った高い技術やセキュリティが、環境関連事業に生かされていますが、こちらも長期的な成長が期待されます。

防衛関連にも拘わらずESGでもあるという少し変わった性格を持つ会社ですが、引き続き安定した成長が期待されると思っています。

会社ウェブサイト
https://www.kbr.com/en

 

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