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アメリカ成長株:ジャナックス・セラピューティクス(Janux Therapeutics):ガン免疫療法薬を開発

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アメリカ成長株:ジャナックス・セラピューティクス(Janux Therapeutics)の概要

ジャナックス・セラピューティクス
Janux Therapeutics Inc
ティッカーコード:JANX
上場市場:NASDAQ National Market System
業績についてのリンク
https://finance.yahoo.co.jp/quote/JANX/performance

ジャナックス・セラピューティクス社はガン患者に最適な治療効果をもたらすガン免疫療法薬を開発しています。
免疫治療薬は患者自身の免疫力を使ってガン細胞を攻撃するもので、近年注目されるようになった革新的な治療アプローチです。
同社の免疫治療薬はガン細胞を免疫応答によって除去する際に重要な役割を果たす“T細胞”を利用します。

現在、同社は4つの治療薬候補の開発を進めていますが、特に注目されるのはJANX007とJANX008の2つです。
どちらも臨床試験の第一段階が進行中で、最新の中間データが発表されています。
・JANX007(PSMAxCD3-TRACTr)
対象:進行した転移性去勢抵抗性前立腺ガン(mCRPC)
メカニズム:PSMA(前立腺特異的膜抗原)を標的として、T細胞によるガン細胞への免疫応答を促進する。
臨床データ:腫瘍マーカーの低下や持続的な治療効果が観察されており、治療の初期段階において優れた安全性と副作用の低さが示されている。

・JANX008(EGFRxCD3-TRACTr)
対象:進行性・転移性固形腫瘍
メカニズム:EGFR(上皮成長因子受容体)を標的として、ガン細胞に対するT細胞の攻撃を強化し、増殖を抑制する。
臨床データ:従来の治療法と比較して安全性と効果が向上する可能性が示されており、用量漸増試験(最適な投与量の調査)が進行中。
特にEGFRは多くのガンの進行において重要な役割を果たしているため、JANX008は広範囲のガン治療への適用が期待されています。

どちらも二重特異性抗体と呼ばれる抗体薬の一種で、ガン細胞の特定の部位に結合することで効果を発揮します。

二重特異性抗体は2つの異なる抗原に同時に結合できる抗体であり、簡単に言うと、物質や細胞をつかめる2つの手を持っていて、両者を接近させる“架け橋”のような役割を果たします。
JANX007、JANX008は片方の手でT細胞、もう一方でガン細胞をつかんでT細胞にガンを攻撃させるものです。

これらの二重特異性抗体は同社のTRACTr(Tumor Activated T-Cell Engager)という技術プラットフォームで作成されました。
これは同社が開発した独自のプラットフォームで、ガン治療のためのT細胞エンゲージャー(TCE)を設計する上で基盤となる技術です。

TCEとは、異物を攻撃して排除する免疫細胞の一つであるT細胞をガン細胞に接近させて活性化させる作用を持つ人工抗体の総称です。
TCE自体は他社も開発していて一般的なものですが、同社のTCEには、
・安全性の向上:T細胞を活性化する際に健康な組織に対する作用をマスク(遮へい)することで重篤な副作用を抑えられる。
・持続的な効果:長期間効果が持続するため、免疫系が恒常的にガン細胞を認識し、攻撃する能力を向上させる。
・全身性の毒性抑制:健康な組織から迅速に除去されるため、全身性の毒性を抑制する。
などの特徴があります。

現在同社はTRACTrプラットフォームに基づいて、複数のガン種に対する開発プログラムを進めており、詳細は非公表となっていますが、JANX007、JANX008以外にも2つのTCEが臨床試験に向けて準備が進められています。

TRACTrプラットフォームは、ガン治療における安全性と有効性の向上、毒性の低減、そして早期の治療段階への適用など、治療の選択肢を広げる可能性があります。
今後、同社のTCE開発プラットフォームの性能を実践的な臨床環境で証明することで、ガン治療の新たな治療オプションとしての地位の確立を目指しています。
また、この技術の成功は他のガン種や免疫関連疾患への応用の道を開く可能性もあり、今後の展開にも期待したいと思います。

会社ウェブサイト
https://www.januxrx.com/

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