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アメリカ成長株:イントレピッド・ポタッシュ(Intrepid Potash):化学肥料メーカー

鉱工業

アメリカ成長株:イントレピッド・ポタッシュ(Intrepid Potash):化学肥料メーカー

イントレピッド・ポタッシュ
Intrepid Potash Inc
ティッカーコード:IPI
上場市場:NYSE(ニューヨーク証券取引所)

業績についてのリンク
https://stocks.finance.yahoo.co.jp/us/annual/IPI

イントレピッド・ポタッシュ社は米国内に3つの鉱山を所有している国内最大の塩化カリウム生産企業です。

塩化カリウムは植物の成長に必須な三大栄養素(窒素、リン、カリウム)の一つで、近代農業には欠かせない重要な肥料となっています。

カリウムは植物細胞の水分調整、根・球根の成長促進、糖・タンパク質を作る補助、病害虫に強い丈夫な作物の成長に必須です。

植物は積極的にカリウムを取り込んで利用するため耕作を繰り返すと土壌中のカリウムが不足し、それを補うために定期的な補充が必要になります。
塩化カリウムはカリウムを含む肥料としては最もポピュラーかつ安価で、ホームセンターで大袋を山積みで販売しているのをよく目にします。

同社は塩化カリウムの他にもラングバイナイトと呼ばれるマグネシウム・カリウムの硫酸塩を“イントレピッドトリオ”という商品名で販売しています。
この“トリオ”という名称はカリウム、マグネシウム、硫黄の3つの成分が含まれているという意味で、鉱山から掘り出されたラングバイナイトを精製して製造されます。

マグネシウムは肥料の三大栄養素に続く二次要素であり、葉緑素を作ったりリン酸を吸収・運搬するのに役立ち、硫黄はタンパク質の合成に必須な元素です。
ラングバイナイトに含まれる3つの成分は動物の生育にも欠かせない栄養素でもあり、動物用のイントレピッドトリオはペットフードや家畜飼料の原料として利用されています。
同社が所有する鉱山はラングバイナイトがそのまま埋まっているユニークな鉱山で、簡単な精製をするだけで利用できます。

肥料価格はロシアのウクライナ侵攻以前から上昇傾向にありましたが、これは「鉱山由来の肥料はいずれ枯渇する」という懸念から来る供給不安が後押しとなっていました。

ウクライナ侵攻後はロシアとベラルーシ産の塩化カリウムが供給されなくなったためさらに拍車をかけて価格上昇が激しくなっています。この状況は同社のような肥料メーカーにとっては強い追い風となっていて、当面は大きな利益につながることは間違いありません。

しかし、価格の高騰が長引くと大量の肥料を消費する近代農業のやり方自体の見直しにつながる可能性があり、現に有機肥料を使った循環型の持続化可能な農業を目指す運動も各地で起こりつつあります。

有機農法への転換がそれほど簡単に進むとは思えませんが、大量の鉱山由来の肥料を浪費する近代農業もいずれは限界を迎えて将来的には変わらざるを得ない状況に追い込まれることになるかもしれません。

会社ウェブサイト
www.intrepidpotash.com

 

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