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アメリカ成長株:インスメッド(Insmed):バイオ医薬品会社

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アメリカ成長株:インスメッド(Insmed)の概要

インスメッド
Insmed Inc
ティッカーコード:INSM
上場市場:NASDAQ National Market System

業績についてのリンク
https://finance.yahoo.co.jp/quote/INSM/performance

インスメッド社は主に患者数が限られる希少な肺疾患に焦点を当てた治療薬の開発に取り組んでいます。
米国を拠点にヨーロッパで活動しており、2017年には日本法人も開設したグローバル医薬品企業です。

同社が開発して商品化されたアミカシン(商品名:アリケイス)は、他の治療法の効果が不十分な肺のMAC(マイコバクテリウム・アビウムコンプレックス)感染症の成人患者に対する抗菌薬です。
MAC感染症には複数の抗生剤による多剤併用療法が施されますが、これが効かないと打つ手がありませんでした。
アミカシンはこういう場合に多剤併用療法の次の一手として使える唯一の抗生剤で、同社の主力製品となっています。

また現在開発が進んでいる治療薬としては、ブレンソカチブとトレプロスチニルパルミチルが米国食品医薬品局(FDA)の承認を目指して臨床試験が進行中です。

ブレンソカチブは好中球による炎症を抑える薬で、非嚢胞性線維症気管支拡張症のための治療薬として三段階ある臨床試験の第3相試験の段階にあります。
この疾患は遺伝的要因や感染症などによって気管支が拡張し、咳、痰、発熱を伴う肺の病気で、血痰や喀血が出る場合もあります。
原因は様々ですが、病状の進行には共通して好中球による炎症が関わっています。

好中球は白血球の一種で、外部から侵入した細菌などの異物を撃退する役割がありますが、働きすぎると自分の身体を攻撃して過剰な炎症を引き起こします。
ブレンソカチブはDPP1(ジペプチダーゼ1)を選択的に阻害する薬剤です。
DPP1は好中球を活性化する役割がある酵素で、この働きを阻害すると炎症を抑えることができます。

もう一つの開発薬であるトレプロスチニルパルミチルは、間質性肺疾患が引き起こす肺高血圧症というまれな肺疾患のための吸入粉末剤です。
間質性肺疾患によって肺の組織が線維化・硬化すると肺動脈の血管が狭くなり、血流が阻害されることで肺から心臓への血液の流れが悪くなって肺の血圧が上がってしまいます。
トレプロスチニルパルミチルは肺の血管を広げることで肺の血圧を下げる作用があります。
体内には“プロスタサイクリン”という肺の血管を広げる働きを持つ物質があり、トレプロスチニルパルミチルはこれと似た分子構造を持っていてプロスタサイクリンの代わりの働きをするためです。
現在トレプロスチニルパルミチルは臨床試験の第2相試験が進行中です。

同社の創薬の中心は肺疾患ですが、ここに焦点を当てることには大きな意味があると考えられます。
肺疾患は呼吸困難や咳などの症状で日常生活を大きく制限し、慢性的な疲労感や不安感を引き起こすことで患者の生活の質(QOL)を大きく低下させます。
また肺疾患は長期的な治療を必要とする場合が多く高額な医療費が発生するため、効果的な治療法の開発は医療費の削減につながり、患者だけでなく医療システム全体の負担軽減に貢献します。

同社が治療薬を開発する肺疾患は希少疾患であり、そのために競合他社が少ないこともあって現在のところ開発の最先端を走っています。
成功すればこの分野でのリーディングカンパニーとしての地位を確立し、新たな治療法の開発や患者への貢献をさらに推進することが期待されます。

同社の開発薬の中ではブレンソカチブが最近、有効性・安全性・忍容性を評価する臨床試験の最終段階で良好な結果を出しており、FDA承認への期待が高まっています。
しかし、新薬の開発は困難で時間がかかるプロセスであり、成功する保証はありません。
臨床試験で良好な結果が出たとしても、その後のFDAによる厳格な審査プロセスが待っており、その中で追加の臨床試験やデータ提出を求められる可能性もあり、今後の進捗状況に注目したいと思います。

会社ウェブサイト
https://insmed.com/

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