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アメリカ成長株: インターデジタル(InterDigital):基盤技術を開発しライセンス提供

IT

アメリカ成長株:インターデジタル(InterDigital)の概要

インターデジタル
InterDigital Inc
ティッカーコード:IDCC
上場市場:NASDAQ National Market System

業績についてのリンク
https://finance.yahoo.co.jp/quote/IDCC/performance

インターデジタル社は、無線通信、動画圧縮、AI(人工知能)などの基盤技術を開発し、その知的財産(IP, Intellectual Property)を収益化するライセンス企業です。

自社でハード製品を製造せず、世界の大手デバイスメーカーやサービスプロバイダーにライセンス提供することで利益を得る“IP as a Service(IPaaS)”というビジネスモデルを展開している点が特徴となっています。
Samsung(サムスン)、HP(ヒューレット・パッカード)、Lenovo(レノボ)などの大手企業と取引があり、世界のスマートフォン市場の約80%およびパソコン市場の過半数をカバーするライセンス契約網を構築しています。
さらに近年は、自動車やIoT(モノのインターネット)、テレビ、ストリーミングサービス分野にも事業を拡大しており、積極的に新しい市場や成長分野へ進出しています。

現在は以下のような事業を展開しています。

1. 無線通信技術の研究・開発
・次世代モバイル通信規格(5G、6G)に深く関与し、超高速・低遅延・多接続といった要件に応える基礎アルゴリズムやプロトコルを開発。
・Wi-Fi技術やローカルエリア通信の最適化、IoTデバイス向けの低消費電力通信技術など、家庭・オフィス・産業現場まで幅広い分野のワイヤレス通信を支える技術を開発している。
・3GPP、IEEE、ETSIなどの100を超える技術仕様を統一するのための標準化組織において、主体的に議長ポジションを務めている。

2. 映像・動画技術
・“Video Lab”を運営しており、映像圧縮や伝送の最適化といった映像に関する専門的技術の研究を促進。
・“AI Lab”では、最先端のAI・機械学習(特にディープラーニング)技術を活用し、次世代のワイヤレス通信や没入型メディアのための革新的な研究を推進。
・動画の圧縮技術に注力しており、特にHEVC(High Efficiency Video Coding)やVVC(Versatile Video Coding)といった高度なコーデックを開発。
・VR(仮想現実)、AR(拡張現実)、360度映像、立体音響のような没入型メディアのためのデータ圧縮・伝送・強化に関する技術を開発。

3. AI技術の活用
・AIによって自動的に無線ネットワークが最適化される次世代通信(6G)において、その自律運用技術の標準化をリードしている。
・AIを使って動画コーデック(映像の圧縮・復元)技術の開発に取り組んでいる。
・多くのAI関連標準化団体やワーキンググループでリーダーシップを発揮し、業界としての“AI+通信・映像”の融合の方向性を定める役割も担っている。

4. 知的財産ポートフォリオ
・2025年時点で約34,000件の特許を保有しており、2017年の約19,000件から70%以上拡大しており、年間約6件の新規特許を継続的に取得している。
・無線通信(4G, 5G, 6G)、Wi-Fi、動画圧縮・伝送技術、AI活用技術など、多岐にわたる分野で多くの特許を持っている。
・多くは業界標準技術の実装に不可欠な標準必須特許(SEP)であり、スマートフォン、自動車、PC、IoT機器など多様な機器に組み込まれている。

5. IPライセンス事業
・約34,000件の特許を基に、スマートフォン、PC、IoT、自動車など幅広いデバイスメーカーやサービスプロバイダーに技術ライセンスを提供しており、特にスマートフォン分野では世界の市場の約80%がライセンスカバーされている。
・2025年にSamsungと和解し、年間継続収益(ARR)は約1億3100万ドルとなり、これは前回契約比で約67%の増加となった。
・HP(ヒューレット・パッカード)ともWi-Fiおよび動画デコーディング技術に関する長期ライセンス契約を締結し、PC市場の50%以上をカバーしている。

これらの事業の中で、得に注目され、期待を集めているのが“AIと6Gの融合”です。
AIと6Gという変革をもたらす2つのテクノロジーの融合は、従来の通信や情報処理の枠組みを根底から変え、新たなビジネスモデルやサービスの創出を促進します。
超高速かつ低遅延な6Gネットワークは、AIの高度な機械学習や自律システムの実現を強力に支援し、自動運転やスマートシティ、遠隔医療など、多岐にわたる産業分野で革新をもたらすと期待されています。

この融合による技術革新は、産業の効率化だけでなく、生活の質の向上にも直結し、今後の社会基盤として不可欠なものとなるでしょう。
例えば遠隔医療において、高精度でリアルタイムの映像とデータ通信が可能となり、離れた場所にいる医師が高度な診断や手術支援ができるようになります。
また、自動運転やスマートシティのインフラにおいても、AIが6Gの超高速・低遅延通信を活用して、車両や都市システム間の高度な連携を実現し、安全性と利便性を大幅に向上させます。
さらに、個人向けには、AIが個々のニーズや状況に応じて最適化されたパーソナルアシスタントやスマートホームの提供を可能にし、生活の快適さや効率性を大きく高める可能性があります。

このように同社は、次世代のデジタル社会における通信インフラの構築やデジタルの変革をリードすることで、より便利で快適な未来社会への進化に貢献していくでしょう。

会社ウェブサイト
https://www.interdigital.com/

 

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