アメリカ成長株: インストールド・ビルディング・プロダクツ(Installed Building Products)の概要
インストールド・ビルディング・プロダクツ
Installed Building Products Inc
ティッカーコード:IBP
上場市場:NYSE
業績についてのリンク
https://stocks.finance.yahoo.co.jp/us/annual/IBP
米国は先進国では人口増加率が高く、新規建築も増加している国です。住宅建設という成長市場で、市場シェアを増加させれば、かなり高い成長を獲得できます。
今回紹介するインストールド・ビルディング・プロダクツ社は、断熱材等を設置する工事会社です。2021年11月の会社資料によれば、48州に160か所の拠点を持つ、この業界では最大手の一社です。断熱材の工事をすると同時に、防水、防火、耐火用資材、車庫用のドア、雨どい、シャワー室用ドア、クローゼット用の棚や鏡、等も設置工事をしています。
売上構成は以下の通りです。
・資材別売上高
断熱材:64%、防水:7%、シャワードア&棚&鏡:7%、車庫用ドア:5%、雨どい:5%等
・顧客ごとの内訳
新築戸建て:64%、新築集合住宅:12%、修繕:7%、商業用施設:17%
断熱剤等の設置工事という「地味」な事業ですが、着実に成長しており今後も「かなり高い」成長が期待できる企業です。
コロナ前の2016年~2019年では、売上高は毎年15%~30%程度伸びています。既存店売上高は10%~15%程度の伸びであり、M&Aを活用した店舗網の拡大が成長を上積みしています。コロナ禍の2020年でも売上高は+9.4%、既存店売上は+4.5%であり、上昇率は鈍っているものの、傾向は変わっていません。そして、2021年4月~9月では、売上高は前年同期比で21~24%増、既存店売上は11~13%増と2019年までのトレンドを回復させています。
同社のM&Aは非常に長い歴史を持ち、また実績もあります。もともと同社は、1977年に創業したのですが、その後継続的にM&Aをすることで事業規模とカバーする地域を拡大してきました。同社のウェブサイトにはこれまで買収した会社が紹介されています。
KEY ACQUISITION TIMELINE を見ると、1994年から毎年のように多くの会社を買収していることがわかります。
2003年までは22社、2003年~2007年は54社、2008年~2010年は5社、そして2011年以降84社と、膨大が数の会社買収をした経験を持っており、「買収→売上増+収益貢献」のノウハウが蓄積していると言えます。
また、収益性もかなり良い事業です。2016年~2020年のグロスマージンは27.8%~30.8%、修正EBITDA率は安定して12%~14%です。2021年4月~9月では15%~16%に改善しています。同社の規模を背景とする仕入れ力が、大きく貢献しています。
安定成長する市場においてM&Aも活用しながらシェアをアップし、リーディング企業の強みを生かして収益性も良好という、優れた経営戦略を持つ成長企業です。
会社ウェブサイト
https://installedbuildingproducts.com/
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