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アメリカ成長株: ヒムズ・アンド・ハーズ・ヘルス(Hims & Hers Health):遠隔医療を提供

ヘルスケア・バイオ

アメリカ成長株:ヒムズ・アンド・ハーズ・ヘルス(Hims & Hers Health)の概要

ヒムズ・アンド・ハーズ・ヘルス
Hims & Hers Health Inc
ティッカーコード:HIMS
上場市場:NYSE(ニューヨーク証券取引所)

業績についてのリンク
https://finance.yahoo.co.jp/quote/HIMS/performance

ヒムズ・アンド・ハーズ・ヘルス社は、オンラインによる診断と薬、およびパーソナルケア製品を提供する事業をアメリカとイギリスに展開するテレヘルス企業です。
パーソナルケア製品は、医薬品以外のサプリメント、性的健康グッズ、スキンケア・ヘアケア商品などで、これらは顧客が健康を管理し、ウェルネスを向上させるためのツールです。

1.同社の事業内容
同社のオンライン診断、処方薬と市販薬のオンライン販売、パーソナルケア製品のオンライン販売にはそれぞれ以下のような特徴があります。

<オンライン診断>
低価格で場所を選ばない診断:患者は病院に出向くことなく、自分のスマートフォンやコンピューターから高度な資格を持つ医師とのコミュニケーションが可能。
医療ケアがどこからでもアクセス可能かつ手頃な価格になり、患者が自分の健康状態について積極的に関与できる。

患者中心のケア:医師が患者の状態、治療オプション、治療の利益とリスク、患者の希望を考慮した戦略を練った上で、患者と一緒に治療計画を立てることができる。

アクセスの改善:患者が簡単に医療ケアにアクセスできるようにするため、医療提供者とのコミュニケーションを可能にするテレヘルスプラットフォームを提供する。
患者は自分の都合の良いときに医療提供者にアクセスできる。

オンライン精神科:患者はオンラインで精神科医とコミュニケーションを取り、必要に応じて処方薬を受け取ることができる。

オンラインセラピー:ビデオ通話を通じてライセンスを持つセラピストと患者をつなげるサービスを提供する。
患者はオンラインでメンタルヘルスを維持し、向上させるための習慣やプラクティスを取り入れられる。

<処方薬と市販薬のオンライン販売>
ライセンスを持つ薬局での調剤:処方された薬はライセンスを持つ薬局で調剤され、直接患者の元へ送られる。

市販薬の提供:市販薬もオンラインで販売していて、患者は自分の都合の良いときに必要な薬を購入できる。自宅に直接配達されるため、体調不良の時にも外出する必要がない。

パーソナライズされた治療:患者それぞれのニーズに合わせてパーソナライズされた治療を提供する。患者は自分の症状や健康状態に基づいて最適な治療法を選択できる。

継続的なケア:処方薬を定期的に提供し、医療提供者からの継続的なケアを提供するサブスクリプションモデルを導入している。

<パーソナルケア製品のオンライン販売>
オンライン販売:同社のオンラインプラットフォームを通じて、顧客は店員と接することなく自宅から簡単に製品を購入し、必要なケアを受けられる。

幅広い製品:提供されている製品には、サプリメント、性的健康グッズ、スキンケア・ヘアケア商品などの様々なものが含まれる。

パートナーシップ:同社は米国の大手ドラッグストアチェーンであるWalgreensと提携しており、パーソナルケア製品をWalgreensのウェブサイトでも販売している。

2.同社の事業のメリット
同社がこうした事業をオンラインで展開するのには、以下のようなメリットがあります。

・顧客の利便性
病院や店舗に出向くことなく医薬品や健康製品を購入できるため、顧客は他人に知られることなくどこからでも簡単に必要な商品を入手できる。

・アクセス性の向上
地理的な制約を超えて顧客にサービスが提供されるため、より多くの人々にサービスを届けることが可能で、医療の地域格差の解消に貢献する。

・情報提供と教育
オンラインプラットフォームを通じて、顧客に製品情報や健康に関する教育を提供し、健康意識の向上に貢献する。

・コスト削減
店舗運営や在庫管理などのコストを削減できるため、効率的なビジネス運営が可能。

・データ分析とパーソナライゼーション
オンラインプラットフォームを活用して顧客データを収集し、個々の顧客に合ったサービスや製品を提供できる。

全ての取引がオンラインベースであり、顧客とのやりとりがデータ化されているため、人工知能を活用できます。
顧客と医療提供者がプラットフォーム上で行うコミュニケーションからデータを収集し、人工知能を使って顧客のニーズや傾向、提供するサービスの効果などを分析することで改善のための示唆が得られます。

同社が開発した次世代のインテリジェント診断サービス“MedMatch”は、数千の医療提供者の集合知を活用して、顧客にパーソナライズされた医療ケアを提供します。

このサービスは人工知能と機械学習によって同社のプラットフォームの豊富なデータセットを解析することで、顧客の個々のニーズや症状に基づいて最適な治療法や製品を提示できます。

現在、MedMatchはベータ版であり、不安やうつ病のサポートを求める顧客に対してのサービスに限定されていますが、今後はこの技術をさらに発展させ、他の医療分野にも適用することを計画しています。こうした顧客のパーソナライゼーションは、顧客満足度を向上させています。
このことは、新規加入者数の増加や高い再購入率の維持につながり、同社の最近の好調な業績に大いに貢献しています。

テレヘルス(遠隔医療)という言葉は日本ではあまり馴染みがありませんが、米国ではコロナ禍以降、オンライン医療の利用が急速に伸びて広く浸透しています。
今後も約80%の医師がテレヘルスの利用を続ける予定であり、2022年には米国成人患者のうち43%が利用したという調査報告もあります。

米国の医療業界ではテレヘルスが一般的になっていて、患者と医師のコミュニケーションを円滑化し、医療サービスのアクセス性を向上させるのに役立っています。
その他にも医療費の削減、医療の地域格差の解消、新しい製品とサービスの速やかな導入などの効果があるテレヘルスは今後も拡大していくと考えられます。
将来はテレヘルスやAI診断システムが発達し、医者に頼らずに診断や投薬ができるようになる可能性もあります。

人工知能の進化により、大規模な医療データの解析や症状の診断において、医師以上の精度や効率性を持つようになるかもしれません。
そうなれば人工知能は膨大な医学知識を瞬時に参照し、最新の治療法や薬剤情報を提供できるため、患者は以前よりも格段に迅速かつ正確で安価な医療サポートを受けられるようになります。

ただし、医師の人間性や臨床経験には人工知能が及ばない部分もあります。
医師は患者との信頼関係を築き、個々の状況や感情を考慮しながら診断や治療を行えるため、人間の医師と人工知能が連携するモデルが将来的には重要となるでしょう。
今後は医師と人工知能が相互補完的に働くことで、より質の高い医療が提供され、患者の健康状態の改善に貢献することが期待されます。

会社ウェブサイト
https://www.forhims.com/

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