アメリカ成長株: フローサーブ(Flowserve Corp)の概要
フローサーブ
Flowserve Corp
ティッカーコード:FLS
上場市場:NYSE(ニューヨーク証券取引所)
業績についてのリンク
https://finance.yahoo.co.jp/quote/FLS/performance
フローサーブ社は230年以上の長い歴史を持ち、ポンプ、バルブ、シールなどの流体制御機器や関連サービスを提供し続ける長寿のグローバル企業です。
同社は以下の3つの柱に基づく“3D戦略”と呼ばれる成長戦略を掲げています。
1.デジタル化
設備の監視や予測分析を通じて顧客の施設の生産性と稼働時間を延長させることを目指しています。
例えば、大手グローバル飲料会社の乾式真空ポンプに関する業務では、IoT(モノのインターネット)による監視とAIを活用した予測分析により、施設の生産性と稼働時間の延長を実現しています。
2.脱炭素化
環境に優しいエネルギーソリューションを提供し、特に原子力発電所の建設において低炭素電力の供給を目指していて、この取り組みは持続可能なエネルギーの確保に寄与します。
例えば、イギリスの新規原子力発電所建設にポンプとバルブを供給する契約を獲得しており、この施設は600万世帯に電力を供給する見込みで、これはイギリスのエネルギー需要の約7%に相当します。
3.多様化
製薬業界や食品・飲料業界などのさまざまな市場において製品とサービスを提供することで収益源を多様化しており、特定の市場に依存しない安定した成長を図っています。
顧客基盤は石油・ガス(38%)、化学(17%)、電力(13%)、一般産業(25%)、水関連(7%)に、また売上は北米(39%)、ラテンアメリカ(8%)、アジア太平洋(17%)、ヨーロッパ(6%)、中東・アフリカ(11%)に分散されています。
3D戦略は持続可能な成長と収益性の向上のために採用されており、同社が直面する市場の課題と機会に臨機応変に対応することを目的としています。
同社の流体制御は液体・気体の流れを管理・調整するための技術や製品を指しており、具体的には
・ポンプ:
液体を移動させるための機械で、水を汲み上げたり化学薬品を工場内で移動させたりする際に使用される。
・バルブ:
水道の蛇口のように流体の流れを制御するための装置で、バルブを開けたり閉めたりすることで液体や気体の流れを調整できる。
・シール:
流体が漏れないようにするための部品で、ポンプやバルブの接続部分において液体や気体が外に漏れないように密閉する。
・システム全体の設計:
流体制御は単なる部品だけでなく、これらの部品を組み合わせて効率的に流体を管理するシステム全体の設計も含まれており、工場やプラントでの生産効率を高められる。
などの要素が含まれます。
流体制御技術は化学工業、石油・ガス産業、発電、食品・飲料業界など、さまざまな分野で重要な役割を果たしています。
これにより製品の品質を保ちながら、効率的で安全な運用が可能になります。
今後、同社の流体制御技術の需要は増していくと予測されます。
これは主に環境への配慮から脱炭素が進むことや新興国での新しいインフラ整備による新興市場が成長していることに加えて、世界中で老朽化したインフラの更新が進んでいるからです。
特に水道や廃水処理施設の改善が求められており、これに伴いより効率的な新しい流体制御技術が必要になっています。
同社は長い歴史で培われた専門知識や包括的な製品ポートフォリオに加えて、革新的な技術開発と3D戦略によってこの需要に応えています。
今後も流体制御技術の革新を通じて、未来のインフラを支える重要な役割を果たし、持続可能な社会の実現に貢献していくことが期待されています。
会社ウェブサイト
https://www.flowserve.com
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