アメリカ成長企業

将来面白いことになりそうなアメリカの成長企業を紹介します。

アメリカ成長株投資に興味のある方はこちらへ

アメリカ成長株:エルパソ・エレクトリック(El Paso Electric):テキサス州の小規模発電会社

公益産業

アメリカ成長株:エルパソ・エレクトリック(El Paso Electric)の概要

エルパソ・エレクトリック
El Paso Electric Company
ティッカーコード:EE
上場市場:NYSE(ニューヨーク証券取引所)

業績についてのリンク
https://stocks.finance.yahoo.co.jp/us/annual/EE

日本における電力事業は数社の大規模電力会社によってほぼ独占されていますが、米国では3千以上の小規模事業者が乱立している状況にあります。
ただし電力が完全に自由化されているわけではなく、ほとんどの州で発電・送電に関わる企業は行政によって監視・規制されています。

今回紹介するエルパソ・エレクトリック社は、テキサス州西部のエルパソとニューメキシコ州南部のラスクルーセスの約10,000平方マイルの地域、450,000の顧客に電力を供給していてる公益事業会社です。

顧客数が数百万レベルの日本の大手電力会社と比べると小規模であり、アメリカの国土のスケールからしても地域密着型の地元企業と言えます。

発電方法は天然ガスによる火力と太陽光が中心ですが、これは同社のあるテキサス州・ニューメキシコ州では天然ガスが産出されることや年間を通して晴天に恵まれる気候と関係があります。
特に太陽光に力を入れていて“コミュニティソーラー”呼ばれる太陽光発電促進プログラムを提供しています。

このプログラムは同社が稼働させている太陽光パネルを一般家庭や事業所でシェアするもので、自前で設置・管理する必要がなく発電された電気だけを購入できます。

日当たりが悪い、屋根の強度が不足している、自己資金が足りない、集合住宅に住んでいるなどの事情で太陽光発電をあきらめていた家庭でも利用できるため米国ではここ数年で急速に広がり太陽光発電普及の促進力となっています。

また同社は二酸化炭素排出を抑えるために石炭に代わるものとして天然ガスによる発電を進めて来た結果、テキサス州とニューメキシコ州で石炭発電を完全に排除した最初の発電会社となりました。

昨年は三菱パワー製の高効率のガスタービン発電機を導入し、さらに二酸化炭素排出を抑えることに成功しています。
このガス発電機はコンバインドサイクル発電と呼ばれるタイプで、ガスを燃焼させて発電機を回した後に出る排熱も利用するため石油・石炭火力に比べて効率がよく、二酸化炭素排出を抑えることができます。

天然ガス発電は脱炭素を進める上で太陽光発電のような自然エネルギーとの相性が良いと言われています。

自然エネルギーにはその性質上避けられない不安定さがあり、それを補うためには臨機応変に出力を調整できる電力が必要となりますが、出力調整が難しい水力や原子力に比べて起動・停止・負荷調整が迅速にできる天然ガス発電は打ってつけなのです。

同社のあるテキサス州エルパソ地域は年間を通して温暖な気候で年間平均302日が晴天(米国平均は205日)である上に、輸出するほど天然ガスが豊富にあることを考えると脱炭素を目指す上でこれほど有利な場所も他にないと言えます。

事実、同社は現在全米の発電会社の中でもトップレベルの二酸化炭素排出の少ない発電会社となっています。

この地域にはハリケーン、山火事、地震、洪水などの災害がほとんどなく広大な平地もあるため安定した太陽光発電が可能です。
人口密度が高い、平地が少ない、災害が多いという三重苦の日本では、太陽光パネルが迷惑施設扱いされたり土砂災害の原因になったりと環境保護のはずが逆に環境破壊を引き起こすという皮肉なことになってしまっています。

それに比べて、晴れ渡ったテキサスの空の下、広大な土地に並べた太陽光パネルで思う存分発電できるというのは日本のような太陽光発電に不向きな国からすると羨ましい限りです。

 会社ウェブサイト
www.epelectric.com

 

コメント

タイトルとURLをコピーしました