アメリカ成長株:サイファー・デジタル(Cipher Digital)の概要
サイファー・デジタル(旧名:サイファー・マイニング)
Cipher Digital Inc
ティッカーコード:CIFR
上場市場:NASDAQ National Market System
業績についてのリンク
https://finance.yahoo.co.jp/quote/CIFR/performance
サイファー・デジタル社は現在、大規模なデータセンターの開発・運営を主な事業としています。
今年の2月に、Cipher Mining Inc.からCipher Digital Inc.へと社名を変更しました。
以前は旧社名の通り、ビットコインマイニング事業に重点を置いていましたが、マイニングの報酬が市場環境の変化や規制リスクの影響で減少傾向にあることから、事業の方向性を転換しました。
現在は長期的かつ安定的な収益基盤を構築するため、主にAI(人工知能)のためのハイパフォーマンスコンピューティング(HPC:高性能計算)を支えるデータセンター開発と運営に注力しています。
ビットコインマイニングの報酬が減少し、一方でAI需要が急増しているため、同社に限らず多くのマイニング企業がAIデータセンター事業への転換を進めています。
AIもマイニングと同様に膨大な電力を消費するという共通点があり、電力インフラの確保が鍵となるため、すでにノウハウがあるマイニング企業には有利だからです。
数メガワット級の受電設備と、安価な電力契約(再生可能エネルギーなど)をすでに持っているのは大きなアドバンテージであり、これを活用することで迅速かつコスト効率の高いAIインフラの構築が可能になります。
また、計算機から出る熱を処理する冷却システムや、広大な工業用地を保有しているため、ゼロから建設するより短期間で稼働できる点も重要です。
同社の事業モデルは、主に以下の3つの柱で構成されています。
なお現代のデータセンターでは、計算能力や床面積よりも電力供給力が最大のボトルネックとなっているため、電力容量(MW:メガワット)によって評価されます。
1.提携
・Fluidstack(Google)やAmazon Web Services(AWS)などの大規模クラウド事業者が主なパートナーで、計600MWの契約容量を保持しており、締結済みの契約によって約93億ドルの契約収益が見込まれる。
・AWSとの提携では、15年間の長期HPC(ハイパフォーマンスコンピューティング)リース契約を締結し、NOI(営業純利益)マージンは約100%という極めて高い収益性を実現。
・Fluidstack(Google)との間で、10年間のHPCホスティング用リース契約(5年の延長オプション2回付き)を締結し、NOIマージンは約86%。
2.開発
・予備の設備があり、稼働させたままメンテナンスができる高信頼性の“ティアIII”レベルのデータセンターを建設した経験がある専門チームが、大規模な建設・開発を規律を持って実行し、これまでに5つのデータセンターを予定通りに納入した実績がある。
・米国の主要都市の電力市場における電源接続の承認を受け、各地に新規施設を開発中であり、今後数年での着工・稼働を計画している。
・AIやHPCの需要に応えるため、高度な設計基準を採用し、AmazonやGoogleなどの厳しい基準に合わせたデータセンターを提供。
3.運営
・世界で最も要求の厳しいビッグテック企業向けに、高い信頼性、効率性、パフォーマンスを備えた産業用データセンターを運営しており、大規模施設の一元管理や高密度設計と業務遂行に必要不可欠な運用に強みを持っている。
・既存のデータセンター運営と、ビットコインマイニング事業の戦略的撤退および段階的な資産売却・再配置を進めている。
・効率的なマイニング機器に更新しつつ、低コストの電力契約への切り替えにより、一部のビットコインマイニングを継続。
・ビットコインマイニング機器は撤去・売却または他施設へ再配置され、新規HPCデータセンターとしての稼働準備を進めている。
・ビットコイン在庫(約1166ビットコイン)は戦略的に管理・処分しつつ、長期的に持続可能な運営モデルへ移行している。
同社は不安定化してきたビットコインマイニング事業から脱却しつつあり、ビッグテック企業との長期契約を基盤として大規模な高性能コンピューティング向けデータセンターの開発・運営を行うデジタルインフラ企業へと変革を遂げています。
同社の強みは、AIやHPCといった次世代の計算需要に応えるための、大規模なインフラ開発能力と戦略的な事業転換にあります。
同社の大規模HPCインフラとしての信頼性や仕様のレベルの高さは、契約先がAWS(Amazon)とFluidstack(Google)というトップクラスのクラウド・AIプレイヤーであること自体によって裏付けされています。
ビットコインマイニング事業で培った大規模電力契約・冷却・機器運用のノウハウをそのままHPCインフラに転用しており、構築スピードとコスト面で優位に働いています。
同社は現在、HPCデータセンターのエンジニアリングと建設に人材を拡充しています。
これによって単なるデータセンターの所有者にとどまらず、新規のHPCプラットフォームを大規模に起業・開発・運営できるポジションを確立しつつあります。
同社は、マイニング事業の頭打ちという危機に直面しながらも、堅実かつ拡大可能なHPCインフラ企業への戦略的な転身に成功しています。
こうした立場を活かして同社は、今後もますます伸びると考えられる生成AIおよびHPC向けインフラの需要に柔軟かつ効率的に応えていくと期待されます。
さらに、AmazonやGoogleなどのビッグテック企業との長期リース契約と拡大中のデータセンター開発をテコに、スケールメリットと信用力を一段と高めながら次世代デジタルインフラ供給の中核的プレイヤーへと成長していくことになるでしょう。
会社ウェブサイト
https://cipherdigital.com/

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