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アメリカ成長株:シェフズ・ウェアハウス(Chefs’ Warehouse):外食向け食材の卸売り

その他

アメリカ成長株:シェフズ・ウェアハウス(Chefs’ Warehouse)の概要

シェフズ・ウェアハウス
Chefs’ Warehouse Inc
ティッカーコード:CHEF
上場市場:NASDAQ National Market System

業績についてのリンク
https://finance.yahoo.co.jp/quote/CHEF/performance

シェフズ・ウェアハウス社は食材の卸売事業を展開しており、外食産業の事業者に向けて多岐にわたる商品を供給しています。
主に高級レストラン・ホテル、出張料理業者、シェフ向けに、高付加価値の食材や“センター・オブ・ザ・プレート(COP)”と呼ばれる肉・魚介類などの主要食材の卸売・流通を手掛けています。

全米およびカナダ、中東などで以下のような事業を展開しています。

1.高付加価値食品・食材の卸売
チーズ、オリーブオイル、トリュフ、バルサミコ酢、輸入パスタ、スパイス、ベーカリー製品など、こだわりの高級食材を幅広く取り扱う。
世界中から厳選した約4,000のサプライヤーと提携し、約88,000の商品バリエーションを持つ。

2.センター・オブ・ザ・プレート(COP)商品
肉(牛・豚・鶏)、シーフードなどレストランのメインディッシュとなる食材を中心に流通。
価格変動リスクはあるが、需要が高く、戦略的に重視されている分野。

3.デジタルプラットフォームによる受発注
AI(人工知能)によるデータ分析を駆使して販売と調達を最適化するもので、営業効率の向上とビジネス拡大を実現するための重要な基盤。
顧客の約58%はオンライン注文を利用しており、この比率は年々増加し、効率化・利便性向上を推進。

4.物流・配送ネットワーク
北米を中心に49の流通センター、約1,000台の配送車両を保有。
ルート最適化・施設統合を進めることで配送を効率化し、コストを削減。
これらの項目を通じて、商品供給の幅を広げるとともに、デジタル化によって効率と顧客体験を向上させ、事業規模および市場シェア拡大を図っています。

同社の事業の特徴としては、
・他社では入手困難な食材や独自ブランド商品を多数展開し、高品質・差別化された商品をラインナップ。
・広範な商品バリエーションを取り扱うことで、顧客の多様なニーズに応えられる。
・地域別の販売チームとカテゴリー専門の営業スタッフによる“チームセリング”モデルや、デジタルプラットフォームの活用により、効率的な営業活動と高い契約締結率を実現。
・注文、在庫管理、営業支援にAIやBI(ビジネスの意思決定支援)ツールを活用することで業務を効率化し、顧客体験を向上させる。
・デジタルプラットフォームとAIを活用した動的価格設定、販売予測、状態監視の自動化により、オペレーションを効率化し、収益を最大化。
・大量の情報をデータ化して管理し、先進的な需要予測とコスト分析により、在庫管理や調達戦略を最適化。
・多数の店舗や倉庫と自社車両による効率的な配送ネットワークを持ち、施設統合やルート最適化で利益率向上を目指す。
・高級外食産業向けに特化し、関係重視のサプライヤーパートナーシップや高付加価値のサービス提供を通じて、競合他社との差別化を実現。

などの点が挙げられます。

こうした強みにより、同社は高付加価値な専門食材をニッチな市場向けに提供し、強固な顧客関係と競争優位性を築いています。

最近の米国では、長引くインフレによって外食業界には逆風が吹いています。物価高で人々の財布の紐が固くなり、外食から内食にシフトしているためです。同社もインフレの影響を受けており、商品、原材料、包装、流通、人件費、燃料などのコストが上昇しています。

インフレに対抗するため同社は
・データの蓄積や分析ツールを活用し、コスト動向をリアルタイムに把握・予測。
・コスト予測によってインフレによるコスト上昇に迅速に対応。
・在庫や物流の効率化を図ることで、物流コストや調達コストの上昇を抑制。
・顧客の価格敏感度や行動データによる高度な価格最適化により、営業活動を効果的に支援。
・AIを用いた価格設定や需要予測により、インフレによるコスト増に伴う価格調整をより効率的かつ効果的に行う。
・デジタルツールによる需要予測や在庫計画の自動化・最適化により、業務効率を高め、コスト管理の精度とスピードを向上。

などの対策を打っています。

これらの取り組みを通じて同社は、インフレがもたらす様々な課題に対処しつつ、事業の成長と効率化を推進しています。
事実、最近の業績では高付加価値製品の売上高や実質事業収益がいずれも増加しており、インフレ環境下でも成長を続けていることが分かります。

同社は、このインフレによる逆風を単なる脅威としてとらえるのではなく、逆に業務効率化と動的な価格戦略によって収益機会に変えることで他社との差別化を図っています。
「逆境はイノベーションの母」との言葉どおり、同社はインフレ下の厳しい市場環境でも新しい技術や仕組みを開発し、効率化とコストダウンに成功した数少ない食品卸売企業の一つです。
同社であれば、今後も積極的にイノベーションを推進し続けることで、競争優位性を維持し、市場の変動に柔軟に対応していくことができるでしょう。

会社ウェブサイト
https://www.chefswarehouse.com/

 

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