アメリカ成長株:セルシウス(Celsius)の概要
セルシウス・ホールディングス
Celsius Holdings Inc
ティッカーコード:CELH
上場市場:NASDAQ Small Cap
業績についてのリンク
https://stocks.finance.yahoo.co.jp/us/annual/CELH
レッドブルやモンスターなどのエナジードリンクが日本に入ってきてから１０年以上になりましたがコンビニや自販機でもよく見かけるようになり、すっかり清涼飲料の定番になりました。
日本ではエナジードリンクを眠気覚まし・疲労回復・気分転換のために飲む人が多いようですが、米国では運動時の脂肪燃焼やパフォーマンス向上の目的でも飲まれています。今回紹介するセルシウス社は、こうしたフィットネスシーン向けのエナジードリンクである“セルシウス”を製造・販売しています。
エナジードリンクは基本的に清涼飲料水であるため多くが炭酸飲料なのですが、セルシウスは運動時に飲むことを前提としているのでパフォーマンスに影響しないように非炭酸となっています。
健康面には特に配慮がなされていて、砂糖・コーンシロップ・人工甘味料・香料・着色料・保存料を含まず、ナトリウムなどの塩分も抑えられています。さらにグルテンフリーであり原料は全て非遺伝子組み換え認定を受けていて宗教上不浄な食品を排除するなど徹底しています。
従来のエナジードリンクの毒々しいイメージとは掛け離れた“健康飲料”への路線を明確に打ち出しています。
積極的に運動するような健康意識の高い人々は体に悪そうなものに敏感になる傾向にあり、セルシウスのような徹底した健康志向のエナジードリンクはこうした層に広く受け入れられているようです。
健康面だけでなく脂肪燃焼にも重点が置かれています。
カフェインを筆頭にショウガ・ガラナ・クロム・ビタミン・緑茶抽出物が配合されていて高い脂肪燃焼効果が歌われているのですが、カフェインは特に多くてレッドブルやモンスターの２～３倍も含まれています。
効果を実証するために大学との共同研究も積極的に行っていて、運動前にセルシウスを飲むと体脂肪の減少・筋肉の増加・心肺機能の改善・持久力の向上・血中脂質異常の改善が認められたことを公表しています。
米国でのエナジードリンクの総合売上ではまだレッドブルやモンスターにはかなわないようですが、通信販売ではこれらのトップブランドを抑えてセルシウスが売上１位となっています（2021年3月30日現在、米国Amazonエナジードリンク部門売上げランキング）。
売上の状況を見る限り現状では一般に広く普及しているとは言えません。しかし米国ではフィットネスジムに通う人口が日本の十倍以上と言われていて、ここだけをターゲットにしても市場は小さくはないのですが、一般消費者層という大きな市場も取りに行く余地も残されていると見ることもできます。
日本でもありましたが米国でもエナジードリンクの飲みすぎで死者が出たことが報道されたり睡眠障害やアルコール依存症を引き起こすことが問題になったりで、体にはあまり良くないイメージが広まっているようです。しかし、健康志向をうまくアピールすればこれまで敬遠していたような人々にも受け入れられるようになる可能性があります。
グルテンフリー食品は本来セリアック病の患者のために開発されたものですが、健康に良さそうというイメージだけで一般の人々にも広まったことや先進国で健康志向が高まっていることを考えると、今後セルシウスがトップブランドまで成長できるかどうかは広告とイメージ戦略にかかっていると言っていいでしょう。
会社ウェブサイト
www.celsius.com
コメント