アメリカ成長株:アビッド・バイオサービシズ(Avid Bioservices)の概要
アビッド・バイオサービシズ
Avid Bioservices Inc
ティッカーコード:CDMO
上場市場:NASDAQ Small Cap
業績についてのリンク
https://stocks.finance.yahoo.co.jp/us/annual/CDMO
新しい医薬品が構想されてから製品化されるまでには、大別して“創薬・開発・生産”の三段階があります。
・創薬:病気の原因を解明して解決するための薬剤分子を設計し作成する。
・開発:薬剤分子を臨床で使える錠剤やカプセルなどに形にする。
・生産:安く効率的に品質の高い製品を生産する。
今回紹介するアビッド・バイオサービシズ社は、創薬以外の開発と生産の段階を製薬会社からの発注で代行する“CDMO”と呼ばれる受託サービスを提供しています。
同社の製品は“CGMP”という米国の医薬品に適用される品質管理と製造の基準を満たしています。
CGMPは、どこで製造されても一定の品質を保つための基準であり、材料の調達から製品の出荷まで全ての行程の厳しい管理することで人為的ミスと汚染・劣化を防ぎ高い品質を保証します。
日本では海外で製造されたコロナワクチンの異物混入が問題となりましたが、CGMPのような厳しい基準があれば防げた可能性もあります。
同社の開発は抗体を使って病気の原因となる物質の働きを抑える治療薬が中心で
・Oncologie社のバビツキシマブ(ガン治療薬):
免疫細胞がガン細胞を攻撃するのを妨げるホスファチジルセリンを標的とした抗体治療薬
・Humanigen社のレンジルマブ(コロナ肺炎治療薬):新型コロナウイルスが引き起こす免疫暴走に関わるマクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)を標的とした抗体治療薬
などが現在進行中です。
近年、製薬会社は創薬だけに専念して開発・生産の部分を同社のようなCDMOへ外部委託する傾向にあります。
これには、創薬された治療薬が発売まで漕ぎ着けられる確率が以前と比べると下がっていて、製薬会社が創薬以外のことを抱え込む余裕がなくなってきていることが背景にあります。
また、資金力がなく開発・生産に必要な大規模な施設を持たないバイオベンチャーの多くはCDMOに頼ることになります。
現在は、新型コロナウイルスのパンデミックによってワクチンや治療薬の開発が活発に行われていてCDMOが活躍しています。
CDMOによる分業化が製薬業界でも進んだことで新薬を開発しやすい環境が整ってきていて、今後コロナのようなパンデミックがまた起きたとしても今回よりは素早く的確な対応が可能となるでしょう。
会社ウェブサイト
www.avidbio.com
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