アメリカ成長株:カヴァ・グループ(CAVA Group)の概要
カヴァ・グループ
CAVA Group Inc
ティッカーコード:CAVA
上場市場:NYSE(ニューヨーク証券取引所)
業績についてのリンク
https://finance.yahoo.co.jp/quote/CAVA/annual
カヴァ・グループ社は、地中海料理のファストカジュアルレストランをワシントンD.C.を中心に全米22州に展開しています。
ファストカジュアルレストランとはファストフードとカジュアルダイニング(ファミリーレストラン)の中間の価格帯に位置するもので、健康的なメニューを取り入れることにより米国で人気が高まっています。
同社の地中海料理レストランでは冷凍食品や加工食品が含まれない新鮮で品質の高い食材を使用した手作り感のある料理が提供されます。
メニューにはブロッコリーや玉ねぎのピクルス、ロメインレタス、アボカドなどの野菜、鶏肉や魚介類、コーンやコメなどの厳選された国産の高品質な素材を使っています。
肉、野菜、穀物をボウルに入れ、好みのペーストやソースをつけて食べるのが基本的なスタイルです。
地中海沿岸でポピュラーな“ピタ”と呼ばれる薄いパンに野菜や肉を載せて巻き、ソースにディップして食べる方法が人気です。
ひよこ豆のコロッケ「ファラフェル」、チリソース「スクッグ」などの中東風のメニューやギリシャ料理のディップソース「ザジキ」も提供されます。
健康を重視する顧客に対し、地中海料理の特性を活かした手軽で栄養価の高い食事を提供していて、その健康志向のメニューが特にZ世代やミレニアル世代の顧客に受けています。
レストラン事業に加えて、パッケージングされた地中海風ディップ、スプレッド、ドレッシングを製造しており、全米の食料品店で販売されています。
こうしたレストラン外での製品販売により、同社のブランド認知度の向上、新規顧客の獲得、収益の増加などの効果を上げています。
同社のレストランは、82%が郊外型店舗であり、都市部は14%程度にとどまっています。
2018年に郊外を中心に250以上の店舗を展開していた“ゾーイズ・キッチン”を買収したことで郊外型店舗の比率を高めました。
これは郊外の地域が、家族連れや若者などのターゲット顧客層にとってアクセスしやすい、地価が安いため大型の店舗が構えられる、ドライブスルーの設置に適しているなどの理由によるものです。
店内飲食だけでなく、ドライブスルーやデリバリーも充実しており、これらを合わせると売上の35%にも達しています。
注文は全てデジタルによるもので、スマートフォンアプリを使って予めオンラインで行います。レストラン内でも注文からオプションメニューの選択までアプリで済ませることができます。
デジタル注文は24時間利用可能で、店舗の営業時間に関わらず注文できるため売上の機会を増やします。また、顧客データの収集と分析が容易であり、顧客の志向や注文状況を把握して新しい戦略を練る上で有利です。
最近はインターネット上に多くの健康情報が出回るようになり、オーガニックや自然食品が身近に増えてきたこともあって人々の健康志向が高まっています。
また医療費の増加を懸念する米国政府は健康食品産業を支援する政策や規制を打ち出しています。
外食産業でも、高脂肪、高糖質、高カロリーのイメージが定着してしまったファストフードよりも、健康に配慮された食事が好まれるようになり、多少価格が高くても健康志向のファストカジュアルレストランを選ぶ人が増えています。
米国でヘルシーな食事と言えば日本食を指すものでしたが、地中海料理と比べると寿司レストランは価格帯が高く、気楽に行けるものではありません。
その点、地中海料理はリーズナブルで手軽に自宅での料理にも取り入れやすく、日常的に健康的な食生活を送るための理想的な選択肢となります。
地中海料理は昔から米国でも親しまれて来ましたが、ここ最近、全粒穀物、オリーブオイル、魚介類などが健康に大きく貢献するという研究結果が発表されるようになり、地中海料理が再評価され人気が高まっています。
日常的にリーズナブルで健康的な食生活を送りたいというニーズに地中海料理はうまく適合しており、かつての日本食ブームのように全米に広がりつつあります。
同社は今後も店舗数を着実に増やし、M&Aで事業規模を拡大する計画で、地中海料理の特徴を活かしながら、健康志向と低価格路線のトレンドに合致したサービスを提供することで当面の間は成長していくことになるでしょう。
会社ウェブサイト
www.cava.com
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