アメリカ成長株: ブリッジバイオ・ファーマ(BridgeBio Pharma)の概要
ブリッジバイオ・ファーマ(BridgeBio Pharma)
ティッカーコード:BBIO
上場市場:NASDAQ National Market System
業績についてのリンク
https://finance.yahoo.co.jp/quote/BBIO/performance
ブリッジバイオ・ファーマ社は遺伝性疾患に苦しむ患者のために、革新的な医薬品を発見・開発し、提供することを使命とする新しいタイプのバイオ医薬品企業です。
“新しいタイプ”としている理由は以下のような特徴から来ています。
・迅速かつ分散化された意思決定:伝統的な製薬企業に比べ、迅速で非中央集権的な意思決定プロセスを導入することで、素早く市場のニーズに対応できる。
・柔軟なコスト構造:高コストの原因となる固定費を、必要に応じて変えられる変動費に切り替えることで資本を効率的に活用している。
・多様な資本調達戦略:同社全体としての資金と、開発プログラムごとの子会社レベルでの資金の両方から柔軟に資金を調達する。
・連携と共同研究:学術機関や他社とのパートナーシップに積極的で、共同研究を通じて革新を促進しており、特に知識や技術が必要とされる分野でもスピード感を持って新薬の開発を進めている。
こうした特徴を活かし、個々の研究に集中することで、より多くの患者の生活を改善するための革新的な治療薬を迅速に開発しています。
同社の開発中および承認済みの主な治療薬は以下の通りです。
・承認済み・商業化段階
1.Attruby(商品名:アコラミジス、acoramidis)
ATTR-CM(トランスサイレチンアミロイドーシス心筋症)治療薬で、2024年11月にFDA(米国食品医薬品局)承認を受けて現在商業化が進行中。
2.Nulibry (商品名:フォスデノプテリン、fosdenopterin)
モリブデン補因子欠損症(MoCD)タイプA治療薬で、2021年2月のFDA承認を受け、2023年2月にEUでも販売承認を取得。
・後期臨床試験段階
1.BBP-418
LGMD2I/R9(肢帯型筋ジストロフィー)治療薬で、第3相臨床試験が登録済み。
現在治療法のない進行性の神経筋疾患に対し、疾患の進行を抑制する可能性のある初の治療薬として注目されている。
2.Encaleret
ADH1(常染色体優性低カルシウム血症1型)治療薬で、第3相臨床試験が登録済み。
現在治療法がないADH1に対し、疾患の原因となるメカニズムに直接作用し、ミネラルバランスを正常化する可能性のある画期的な治療薬として期待されている。
3.Infigratinib
軟骨無形成症治療薬で、第3相臨床試験が登録済み。
軟骨無形成症および低軟骨形成症の患者に対して、疾患の進行を抑制し、骨の成長を改善する可能性のある重要な治療薬として期待されている。
・早期臨床試験段階
BBO-8520、BBO-10203、BBO-11818の3つのガン治療薬候補が臨床試験への登録が進められていて、近日中に臨床試験を開始する予定。
このように複数の疾患領域にわたる幅広いパイプラインを有しており、特に遺伝性疾患や希少疾患に注力していることがわかります。
2025年には、Encaleret、BBP-418、Infigratinibの第3相臨床試験の結果が出る予定であり、同社にとって重要なマイルストーンとなります。
EncaleretとBBP-418は、治療法が存在しないか限られている疾患の最初の治療薬である“ファーストインクラス”となる可能性が高く、承認されれば患者へのインパクトが大きいと考えられます。EncaleretとInfigratinibは第2相臨床試験の結果が良好であったため、第3相の結果に期待が高まっています。
特に、Infigratinibの治療対象となる骨系統疾患は市場規模が大きい上に、有効な治療法がない“アンメットニーズ”の高い分野であり、第3相試験の結果次第では大きな成功を収める可能性があります。
また、BBP-418は医薬品によくある一般的な作動薬や阻害剤ではない点がユニークです。
病気の原因となる酵素やシグナル受容体のスイッチをオン・オフするのではなく、酵素反応の原材料を補充することで症状を改善する新しいタイプの治療薬です。
BBP-418は筋肉が衰える筋ジストロフィーにおいて、筋細胞を安定化させる役割を果たすα-ジストロフィンの糖鎖化の働きを持つ酵素に、体外から糖を補充することで部分的に回復させます。
この原材料を補充する療法は現時点で比較的に珍しい治療アプローチであり、成功すれば酵素活性が部分的に残存する疾患全般への応用が期待されます。
同社が標的とする希少疾患市場は、競争が少なくアンメットニーズが高い領域であり、開発した治療薬をファーストインクラスとして売り出す機会に恵まれています。
成功した治療薬が市場に出ることで、消費者や医療関係者からの注目を集め、ブランドの認知度を高めることにもつながります。
さらに、競争の少なさは医薬品の承認プロセスや市場へのアクセスが比較的スムーズであることを意味します。
迅速な研究開発と効率的な商業化戦略を組み合わせることで、早期に市場シェアを獲得することが可能です。
同社はこうした利点を活かして、遺伝性疾患の根本原因に焦点を当てた革新的な治療薬を迅速かつ効率的に開発・提供し、希少疾患に苦しむ多くの患者に希望をもたらしています。
会社ウェブサイト
https://bridgebio.com/
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