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アメリカ成長株:アルケルメス(Alkermes):中枢神経系疾患向けの医薬品を開発・商業化

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アメリカ成長株:アルケルメス(Alkermes)の概要

アルケルメス
Alkermes Plc
ティッカーコード:ALKS
上場市場:NASDAQ National Market System

業績についてのリンク
https://finance.yahoo.co.jp/quote/ALKS/performance

アルケルメス社は、主に中枢神経系疾患向けの医薬品を開発・商業化しています。
中枢神経系は、思考や感情、運動の制御に関わる脳と脊髄から成る組織で、ここに異常が起きると過眠症、統合失調症、多発性硬化症などのさまざまな神経疾患を引き起こします。

同社は自社開発した中枢神経系に作用する独自の製品を販売しており、以下の薬が収益の中心になっています。
1)VIVITROL(ビビトロール)
オピオイド依存症およびアルコール依存症の治療薬。

2)ARISTADA(アリスタダ)とARISTADA INITIO(初回投与用のアリスタダ)
統合失調症の治療に用いられる注射剤。

3)LYBALVI(リバルビ)
統合失調症および双極性障害I型の成人患者向けの治療薬。

2025年には、これらの製品の純売上高が10億ドルを超えると予想されています。
また、ナルコレプシーや特発性過眠症などの睡眠障害を中心に神経科学領域の研究に取り組んでおり、以下の治験薬の開発が進行中です。

・ALKS 2680
ナルコレプシー1型(NT1)、ナルコレプシー2型(NT2)、および特発性過眠症などの制御できない眠気を対象とした経口オレキシン受容体アゴニスト。
2025年後半には第2相臨床試験のデータが発表される予定で、第1相試験では1日1回の投与で覚醒が正常化することが示されている。
・Olanzapine(オランザピン)とSamidorphan(サミドファン)
既に米国で承認された経口非定型抗精神病薬であるオランザピンとサミドファンの併用療法。
小児の統合失調症および双極性障害I型を対象とした第3相試験が進行中。
・ALKS 4510とALKS 7290
中枢神経系疾患の治療を目的として前臨床評価が行われているオレキシン受容体アゴニストで、具体的な対象疾患などの詳細は非公表。
まだ開発の初期段階にあり、2025年中頃および後半に第1相試験を開始する予定。

ALKS 2680、ALKS 4510、ALKS 7290の3つは、ターゲットは同じオレキシン受容体ですが、分子として異なる薬剤です。

オレキシンは、覚醒を維持する役割を果たす神経ペプチドです。
オレキシン受容体に結合することで、覚醒を促すシグナルを伝達します。
受容体アゴニストとは、特定の受容体に結合し、その受容体の機能を活性化する化合物のことを指します。

アゴニストは、体内に存在する自然なシグナル分子と同じように働き、受容体のシグナル伝達経路のスイッチをオンにします。
同社が主に開発するオレキシン受容体アゴニストは、オレキシン受容体に結合してその機能を模倣する化合物です。これにより、患者の不足しているオレキシンの作用を強化し、覚醒促進などの効果をもたらします。

同社は、オレキシンが覚醒の主要な調節因子であることに着目しています。
また、オレキシン周辺を創薬のターゲットとすることで、睡眠障害だけでなく、より広範な中枢神経系の疾患にも応用できる可能性を探っています。

開発中の治療薬の中で特に注目すべきものは、ナルコレプシーと特発性過眠症のためのオレキシン受容体アゴニストであるALKS 2680です。

この開発薬はナルコレプシー1型(感情的な刺激による突然の筋力喪失)および2型(昼間の過度の眠気)の患者に向けて開発されています。
ナルコレプシーやその他の過眠症に対する新たな治療アプローチとして大きな期待が寄せられています。

従来の治療法では一種の覚醒剤が用いられていましたが、対症療法に過ぎず、薬物依存などの問題も抱えていました。
それに対してALKS 2680は、睡眠覚醒調節の中心的役割を担うオレキシン系に直接作用するという点で、既存の治療法とは異なる根本的なアプローチと言えます。

なお、現在ALKS 2680は、FDA(米国食品医薬品局)からナルコレプシーに対するファストトラック指定を受けており、特別に審査が迅速化されています。
実用化に成功すればナルコレプシー2型および特発性過眠症において画期的な初の治療薬となる可能性があります。
ALKS 2680は、より広範な疾患への応用も検討されており、オレキシン受容体をターゲットとした創薬の可能性を大きく広げるかもしれません。

同社は今後も神経科学における深い専門知識を活かし、複数のオレキシン関連の開発候補を含む革新的な医薬品の開発を推進していくと見られます。

会社案内
https://www.alkermes.com/

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