1.米国小型成長株と主要インデックス
今回のコロナショックでは、2020年2月の高値から3月の安値までの下落率は、下記の通りです。(日次データを利用)
米国市場のインデックスの下落率
インデックス | インデックスの特性 | ピーク | 底値 | 下落率 |
NYダウ | 伝統的一流企業の株価 | 29,551.42 | 18,591.93 | -37.09% |
SP500 | 大型株の株価 | 3,386.15 | 2,237.40 | -33.92% |
R2000G | 小型成長株の株価 | 1,142.13 | 679.88 | -40.47% |
小型成長株のインデックスであるラッセル2000グロース(R2000G)は大型株のインデックスであり、アメリカ株全体の指標であるSP500に比べると、7%もの大幅なアンダーパフォーマンスとなっています。
戦後これまで経験してきたショックは金融市場自体のゆがみ→破裂が原因でした。しかし、今回のコロナショックは疫病という初めて経験する原因のため、市場がまだうまく消化しきれていないのでは、と思っています。このため、小型成長株はかなり割安になっていのでは、と思っています。
株価の割安・割高は、利益水準と利益成長率との関係で計測されます*。現時点では、コロナの影響がどの程度なのかわからないので、とりあえず、「大型株は小型成長株より安全そうだから」という感覚で、株価がついているのでは?と思います。
* 株価=一株当たり利益 × PEレシオ に分解できます。
利益水準が上がれば、その分株価は上昇します。しかし、同じ利益水準でも、成長期待が高い銘柄は、PEレシオが高くなります。
もちろん、現時点では経済・企業業績への影響がどの程度なのか非常に予想が難しくなっています。これは、「コロナの問題が、今後どうなるのか?」自体が不明で、その派生である経済・企業業績への影響は、さらに予想が難しいからです。「バリュエーションの基準」が見えない状況です。
では、長期的な推移と比べたらどうなるのでしょうか?
米国小型成長株のインデックスであるラッセル2000グロースと、大型株の主力インデックスであるSP500の長期的な比率から、現状を分析します。
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