アメリカ小型成長株のリーマンショック後のリターンについて
新型コロナ肺炎は、世界経済に「リーマンショック以来」さらに「第二次大戦前の大恐慌以来」の危機であるといわれています。
「疫病」という、非常にクラシックな、しかし、この100年間経験したことのない危機によって、株式のみならず世界の金融市場は超波乱となっています。しかし、どのような危機でもいつかは終わります。遅かれ早かれ、薬やワクチンは開発されます。その時には、今回の問題は解決し、ショックは過去の事になります。
まだ現在はショックの途中であるのですが、株式市場はかなり先の将来を織り込みに行きます。将来を見越して投資する場合の参考として、リーマンショックの回復過程で、小型性成長株がどのようなリターンであったかを見てみます。(米国の小型成長株式のインデックスとしては、ラッセル2000グロース、を使いました。)
リーマンショック後の長期的なリターンは以下の通りです。
ダウ平均 | SP500 | ラッセル2000グロース | 日経平均
(参考) |
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ピーク (2007年10月8日) | 14,093.08 | 1,561.80 | 452.87 | 18,238.95 |
底 (2009年3月2日) | 6,626.94 | 683.38 | 210.62 | 7,173.10 |
底から3年後 (2012年3月5日) | 12,922.02 | 1,370.87 | 475.02 | 9,929.72 |
底から5年後 (2014年3月3日) | 16,452.72 | 1,878.04 | 720.79 | 15,274.07 |
ピークから底への下落率 | -52.98% | -56.24% | -53.49% | -60.67% |
底から3年間のリターン | 94.99% | 100.60% | 125.53% | 38.43% |
底から5年間のリターン | 148.27% | 174.82% | 242.22% | 112.94% |
リーマンショック前のピークとの比較 | ||||
底から3年後の水準 | -8.31% | -12.22% | 4.89% | -45.56% |
底から5年後の水準 | 16.74% | 20.25% | 59.16% | -16.26% |
(注)データについては、文末の注釈をご参照ください。
上記のデータを見ると、一目瞭然です。小型成長株の投資リターンは、主力インデックスを圧倒しています。もちろん、日経平均のリターンは大幅にアウトパフォームしています。日本の場合、リーマンショック前のピークを上回るのは、2014年の12月まで待たないといけません。
短期的には、主力株と小型成長株の投資リターンを比較すると、それぞれ勝ったり・負けたりしています。しかし、長期的なリターンで比較すると、小型成長株の投資リターンは、圧倒的に高いことがわかります。
(注)
・週次のデータを、アメリカのヤフー・ファイナンスデータを元に作成しました。
→ 米国のヤフー・ファイナンス
→ ラッセル2000グロース
・日経平均は円建ての水準を掲示。ドル換算はしていません。
・日経平均はやや時期が異なります。ピーク:2007年7月8日、底:2009年3月1日。底から3年後:2012年3月4日、底から5年後:2014年3月2日。