アメリカ成長株: イムノーム(Immunome)の概要
イムノーム
Immunome Inc
ティッカーコード:IMNM
上場市場:NASDAQ
業績についてのリンク
https://finance.yahoo.co.jp/quote/IMNM/performance
イムノーム社は、有効な治療法が確立されていない、満たされない医療ニーズのあるガン治療のための標的薬を開発しています。
対象となるのは、デスモイド腫瘍(体の様々な組織に発生して臓器を圧迫する腫瘍)、B細胞リンパ腫(免疫細胞が異常増殖する血液ガン)および広範な固形ガンで、世界で初めて、もしくは既存薬を超える治療薬を目指しています。
この目標を達成するために主に以下のような開発プログラムを展開しています。
1.Varegacestat(バレガセスタット)
対象疾患:デスモイド腫瘍
症状:局所侵襲性が高く、発生部位によっては衰弱性の痛み、身体の変形、生命を脅かす臓器損傷を引き起こす。慢性的な痛みにより身体機能が著しく制限され、生活の質(QOL)に大きな影響を及ぼす。
標的:細胞内でシグナルを核に伝達するガンマセクレターゼという酵素
作用メカニズム:ガンマセクレターゼを阻害することで、腫瘍の増殖に関わるシグナルを遮断する。
特徴:他社の類似薬と比較して血中で分解されずに残りやすく、治療部位へ持続的に当てられる。
臨床開発段階:第3相試験を完了し、2026年第2四半期にNDA(新薬承認申請)の提出を予定している。
2.IM-1021
対象疾患:B細胞リンパ腫、および固形ガン(肺ガン、乳ガン、卵巣ガンなど)
標的:正常組織にはほとんど見られず、ガン細胞の表面に特徴的に現れるROR1(受容体型チロシンキナーゼ1)
作用メカニズム:ROR1を標的とした抗体薬物複合体(ADC)によって選択的にガン細胞を攻撃する。
特徴:ADCは、ガン細胞を叩く薬物(ペイロード)と、標的に結合する抗体との複合体(爆弾と誘導装置を持つ誘導ミサイルのようなもの)。同社のペイロードは、独自のHC74ペイロード技術により、標的のガン細胞を直接殺傷するだけでなく、周囲のガン細胞も同時に攻撃する“バイスタンダー効果”を持っている。
臨床開発段階:第1相試験にあり、2026年中にリンパ腫に関する初期データの発表を予定している。
3.IM-3050
対象疾患:広範な固形ガン
標的:多くのガン細胞の周りに集まり、ガンの成長を支えている特定のタンパク質(FAP)。
作用メカニズム:FAPを標的として結合する小分子のリガンドと、放射性物質との複合体でガン細胞を叩く放射線リガンド療法(RLT)177Lu(ルテチウム177)という放射性物質を用いて、ガン細胞および周辺組織に精密に放射線を照射する。
特徴:高い特異性(ターゲットのガン細胞だけに作用する性質)と優れた腫瘍保持能(ガン細胞周辺に集まる能力)を持つ。
臨床開発段階:第1相試験開始直前で、2026年初頭に開始を予定している。
その他にも、IM-1617、IM-1340、IM-1335の3つのADC(抗体薬物複合体)が開発中で前臨床の段階にあります。
従来のADCには以下の課題がありました。
・ガン細胞は、薬を細胞外へ汲み出すポンプを持っており、ADCが効かなくなる“獲得耐性”が大きな問題となっている。
・腫瘍の中には、標的となる目印を持っている細胞と持っていない細胞が混ざっており、薬が届かない細胞が生き残ってしまうため、腫瘍全体を死滅させることが困難だった。
・強力な薬物を使おうとすると、健康な細胞への毒性が強まり、逆に安全性を優先すると効果が不十分になるというジレンマがあった。
これに対して同社独自のHC74ペイロード技術は、
・ガン細胞の排出ポンプに認識されにくい化学構造をしており、既存のADCに耐性を持ったガン細胞に対しても、強力な殺傷能力を維持できる。
・膜透過性が高く、標的細胞で放出された後に隣接する細胞へ効率よく拡散するため(バイスタンダー効果)、標的を持たない周囲のガン細胞も一緒に死滅させられる。
・競合他社のペイロードと比較して、実験データでは数倍から数十倍の強力な活性を示していて、血中での安定性が高く、ガン組織に届いてから効率よく働くため、副作用を抑えつつ高い治療効果を狙える。
など、従来のペイロードにある欠点を補う特徴があります。
この技術が、現在臨床段階に入っているIM-1021に加えて、前臨床段階のIM-1617、IM-1340、IM-1335の4つで試されています。
IM-1021でのHC74ペイロード技術が成功すれば、それに続く開発薬への展開が加速し、耐性腫瘍や標的が不均一な固形ガンに対する次世代のADCプラットフォームとしての商業的・臨床的価値が一気に高まる可能性があります。
そうなれば、現在満たされていない膨大なガン医療のニーズに応える、次世代の標的型ガン治療におけるリーダー企業として、同社の地位が確立されることになるでしょう。
会社ウェブサイト
https://immunome.com/

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