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アメリカ成長株: オーマット・テクノロジーズ(Ormat Technologies): 再生可能エネルギー企業

エネルギー

アメリカ成長株: オーマット・テクノロジーズ(Ormat Technologies)の概要

オーマット・テクノロジーズ
Ormat Technologies, Inc.
ティッカーコード:ORA
上場市場:NYSE(ニューヨーク証券取引所)

業績についてのリンク
https://finance.yahoo.co.jp/quote/ORA/performance

オーマット・テクノロジーズ社は“電力、製品、エネルギー貯蔵”の3セグメントで構成される再生可能エネルギー事業を展開しています。

1.電力セグメント
・同社の収益の大部分(2024年収益の80%)を占める中核事業。
・地熱・太陽光・廃熱回収発電所を開発・運営している。
・公益事業会社、地方自治体、CCA(再エネ共同調達)などに電力を供給している。
・世界最大の地熱発電オーナーおよびオペレーターとして、米国、ケニア、インドネシア、中米などで約1,268MWの電力を供給している。
・地熱・太陽光・廃熱回収発電所を自社で開発・建設し、完成後に長期電力販売契約を通じて電力を販売している。

2.製品セグメント
・地熱・廃熱回収発電向けの設備を設計・製造する部門(2024年収益の16%)。
バイナリー(媒体経由)方式の地熱発電設備の設計・調達・建設のサービスを提供している。
・世界のバイナリー発電設備市場で58%のシェアを持つリーダーであり、これまでに約190の発電所、約3,400MW分の設備を設置している。
・2025年第3四半期時点の受注残高は約2億9,500万ドルであり、前年同期と比較して79%という高い伸び率で好調に推移している。

3.エネルギー貯蔵セグメント
・2025年第3四半期の収益が前年同期比で108.1%増(9.8Mドルから20.4Mドル)と倍増しており、他のセグメントを圧倒するスピードで拡大する成長の柱となっている。
・グリッド(送電網)安定化のための補助サービスや蓄電容量を提供する施設を開発・運営している。
・米国(カリフォルニア、テキサス、ニュージャージーなど)を中心に、最近ではイスラエルへも進出している。

これら3つのセグメントを通じて、持続可能なエネルギーソリューションを世界的に提供し、再生可能エネルギー市場における確固たる地位を築いています。

特に収益の8割を占める電力セグメントは、主力である地熱発電を中心に、太陽光と廃熱回収発電を組み合わせた長期固定価格契約ベースの安定的な収入源として機能しており、同社の成長と財務基盤を支える中核事業となっています。

中でも、電力セグメントが保有する約1.27GWの発電量のうち、86%が地熱発電によって占められており、同社が地熱発電に注力していることが伺えます。
地熱発電と言えば、地中にいくらでもある無尽蔵の熱からCO2排出なしに発電できるという意味において理想的なエネルギーと言えなくもありませんが、実際にはいくつかの地理的、技術的、経済的などの様々な課題に直面しています。

こうした課題に対して、同社は以下のような対策を打っています。

1.許認可プロセスの長期化
課題:地熱プロジェクトは開発に着手するまでの規制や許認可の手続きに多大な時間を要する。
対策:同社は米国の許認可改革(政府承認プロセスの迅速化制度)の活用を成長の柱の一つに掲げていて、すでにユタ州、ネバダ州、オレゴン州などで戦略的に公有地を確保している。

2.地理的制限と資源の限定
課題:従来の技術では、自然に熱水や蒸気が噴出する特定の場所にしか発電所を建設できないという制約がある。
対策:同社はEGS(Enhanced Geothermal Systems)という次世代の地熱技術において、SLB(旧シュルンベルジェ)やSage Geosystemsなどの他社と提携し、既存の発電所での試験運用やソリューションの統合を行っている。

EGSとは、従来は活用が難しかった地下深部の乾燥岩体や低透水層に対して水を注入して人工的に貯留層を形成し、熱エネルギーを効率的に回収することで地熱資源のポテンシャルを飛躍的に拡大する技術。

3.探査における不確実性とリスク
課題:地熱源を掘り当てるための探査には失敗のリスクが伴い、不成功に終わった場合は多額の償却費用が発生する。
対策:同社は60年にわたる垂直統合型の専門知識(探査から運営までを自社完結)を活かし、リスクを管理している。
また、特定のプロジェクトの失敗が全体に及ぼす影響を抑えるため、世界6カ国で40以上のサイトを同時に探査・開発し、多様な事業の候補群を持つことでリスクを分散している。

4.高い初期投資と経済的妥当性
課題:地熱発電所は建設に巨額の資金が必要であり、収益性の確保が難しい。
対策:同社は米国の再エネ促進税制や新しい税制優遇措置を最大限に活用している。
地熱電力に対して1MWhあたり30ドル以上の生産税額控除や、30%~50%の投資税額控除を適用することで、プロジェクトの経済性を高めた上で、電力会社と平均14年の長期電力販売契約を締結している。

以上のように、同社はEGSなどの技術進化、探鉱コストのリスク分散、税制・許認可の追い風の活用、エネルギー貯蔵などによって、全体としてのリスクを下げ、収益を安定させる効果を狙っています。

地熱発電が登場してからすでに100年以上の歳月が経過しており、様々な問題を克服する手法が着実に積み重ねられてきています。
再生可能エネルギーの中でも地熱は、風力や太陽光のように気象に左右されない安定的なエネルギー源です。
また、太陽光の設備稼働率が15~20%程度なのに対し、地熱は80%~90%と非常に高く効率的であり、他の再エネに比べて発電量あたりの必要土地面積が小さい点も評価され、現在は地熱発電の導入が世界で広まりつつあります。

一方で、米国でトランプ政権が地球温暖化を否定して化石燃料の復活を推進したり、欧州でも将来のガソリン車販売禁止の方針が緩和され、日本でもメガソーラーが目の敵にされるなど再生可能エネルギー導入に対する反発が起きています。
日本でも温暖化懐疑論もくすぶり続けており、「そんなにCO2排出削減にこだわる必要があるのか?」というような風潮さえ見受けられる状況にあります。

しかし温暖化は科学的な事実であり、気候変動が容赦なく進んでいることに変わりはなく、事態は一刻も待てない状況に陥っているのは事実として受け止めなければなりません。
地球環境を考えると再エネ導入は必須であり、中でも安定性・効率性の高い地熱発電はベースロード電源としての役割も期待され、世界的なエネルギーミックスにおいて重要な位置を占めつつあります。

今後同社には、こうした地熱のメリットを最大限に活かしつつ、EGSをはじめとした次世代技術の実証と商業化を通じて、従来の地熱利用法では開発が困難であった地域にも適用範囲を広げていくことが期待されます。

会社ウェブサイト
https://www.ormat.com/

 

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