アメリカ成長株: ライフ・タイム・グループ(Life Time Group)の概要
ライフ・タイム・グループ・ホールディングス
Life Time Group Holdings Inc
ティッカーコード:LTH
上場市場:NYSE(ニューヨーク証券取引所)
業績についてのリンク
https://finance.yahoo.co.jp/quote/LTH/performance
ライフ・タイム・グループ・ホールディングス社は、健康、フィットネス、ウェルネス体験を提供するライフスタイルブランドを米国とカナダに展開しています。
ライフスタイルブランドとは、単に製品やサービスだけでなく、顧客に対して特定の価値観やライフスタイルを提案し、自己実現をサポートするブランドです。
1990年代の創業当時、同社は“ライフタイムフィットネス”という社名で、アスレチッククラブをチェーン展開していました。
その後、時代のニーズに合わせてサービスを拡大し、単なるフィットネス企業から健康的なライフスタイル全般を提案するブランドへと進化してきました。
筋トレやダイエットが中心のフィットネスクラブから始まりましたが、それがヘルスケア(肉体的健康)へつながり、さらにウェルネス(肉体・精神的健康と幸福の追求)、サステナビリティ(持続可能性)が加わり、ライフスタイル全般の改善へと広がってきました。
当初の肉体を磨くという概念から、健康の改善、心を満たすこと、持続可能な生き方へと、生活全体をより良くする方向へ進化してきたのです。
現在同社が運営する事業は以下の通りです。
・アスレチックカントリークラブ
トレーニングジム、グループフィットネススタジオ、プール、テニス・バスケットボールコート、スパ、カフェ、チャイルドケアスペースなどを備え、多目的に利用できるリゾートのような特徴的な施設を運営。
・ウェルネスプログラム
フィットネスだけでなく、肉体と精神の健康を総合的に支援するために設計された多岐にわたるサービスを提供し、各種プログラムやイベントを実施。
・デジタルプラットフォーム
“Life Time Digital”というスマホアプリにより、フィットネスクラスのライブストリーミング、遠隔パーソナルトレーニング、栄養と減量サポート、健康・フィットネス・ウェルネスコンテンツなどを提供。
・アスレチックイベント
自転車競技大会やマラソン大会などのフィットネスやスポーツに関連するイベントを企画・運営。
・サブスクリプション
総収益の70%以上が会員費と登録料によるもので、収益の予測が立てやすいサブスクリプションが基盤となっている。
・不動産戦略
不動産を所有するだけでなく、リース契約も活用しており、クラブ全体で67%、2015年以降に開設された新しい施設の86%がリースされている。
こうした事業を展開する上で、サステナビリティを意識しており、施設の設計や運営時にエネルギー効率や資源の保存、温室効果ガスの削減などを重視しています。
持続可能な材料の使用やリサイクルプログラムを導入し、環境への影響を最小限に抑える努力をしています。
また、同社は医療関連のサービスも提供しており、
・フィットネスと健康管理の統合:フィットネスプログラムと健康管理を統合し、会員の健康的なライフスタイルを促進する。
・健康的な食事と栄養サポート:医療サービスの一環として、健康的な食事と栄養に関する指導やサポートを行う。
・メンタルウェルネス:精神的な健康は肉体的健康と密接に関連しているため、メンタルウェルネスも重視し、自身のメンタルヘルスをサポートするサービスを提供する。
などが含まれています。
同社は、現代社会における健康志向の高まりをうまく利用して成長しています。
特に、コロナパンデミック以降、多くの人々が自身の健康管理に対する意識を高めており、フィットネスやウェルネスの重要性が認識されるようになりました。
また、仕事や生活のストレスが大きな問題となっていて、心身の健康を保つための場や支援を求める人々が増えています。
同社はフィットネスだけでなく、メンタルヘルスやウェルネスプログラムに焦点を当て、総合的な健康支援を提供することでそのニーズに応えています。
デジタルテクノロジーの進化により、自宅でもフィットネスや健康管理が可能になり、オンラインフィットネスやアプリを通じた健康モニタリングの利用が進んでいます。
同社もデジタル化の波に乗り、デジタルプラットフォームの強化によってサービスの向上を図ることで顧客とのつながりを強化しています。
在宅勤務やフレキシブルな勤務スタイルが広がる中で、人々のライフスタイルが変わりつつあり、フィットネスを生活の一部として取り入れるのが自然なことになりました。
これも同社が提供する総合的な健康とウェルネスの体験への関心が高まる要因の一つになっています。
また、健康と同様に環境への配慮も急速に重要視されるようになり、サステナブルな運営が求められる中、同社のように環境に配慮した施設やプログラムを導入することで、顧客の支持を得やすくなっています。
同社は、年間平均10以上の新規拠点の開設を目標としており、ブランドの拡大とイノベーションを通じて成長を加速させる計画です。
新たに建設されるショッピングモール、住宅、オフィス開発プロジェクトにおいて、土地オーナーやデベロッパーと連携して、同社のフィットネスセンターの併設を進めており、相互に利益を上げる機会をつくり出しています。
また、ホルモン療法、ペプチド療法、栄養点滴療法、回復、若返り、サプリメント、美容、エステなどの新たな健康・ウェルネス分野へ進出しています。
こうした成長戦略によって同社は、規模の拡大と収益の増加を遂げており、今後も健康とウェルネスのニーズが高まる中でさらなる展開が期待されます。
会社ウェブサイト
https://ir.lifetime.life/
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