アメリカ成長株: カーチス・ライト(Curtiss-Wright)の概要
カーチス・ライト
Curtiss-Wright Corp.
ティッカーコード:CW
上場市場:NYSE(ニューヨーク証券取引所)
業績についてのリンク
https://finance.yahoo.co.jp/quote/CW/performance
カーチス・ライト社は1929年に設立され、第二次世界大戦では米軍の航空機やエンジンを製造していたことで有名です。
現在は航空機そのものは製造していませんが、買収による事業拡大によって航空宇宙および防衛を中心にさまざまな産業分野に事業を拡大しています。
同社の事業を規模の大きな順に並べると以下の通りになります。
1.航空宇宙および防衛
全体の売上の約7割を占めており、特に防衛電子機器や商業航空機向けの製品が重要な収入源となっている。
主に米国国防総省や外国の軍隊への電子機器、センサー、アクチュエーター、通信システムなどを提供する。
・海軍防衛
海軍防衛部門は潜水艦や航空母艦などの海軍に関連する製品を提供する。
潜水艦の密閉バルブやソナー、空母の離着陸装置やレーダーなどが含まれる。
これらの技術を通じて米海軍および国際的な海軍プログラムにおいて重要な役割を果たしている。
・商業航空宇宙
商業航空機向けのOEM(他社ブランド名製造業者)の需要が高い。
航空機の製造や部品供給をしており、特にボーイング社やエアバス社の生産に関連する需要が高い。
小型機と大型機の両方に対応しており、航空機の表面処理サービスなども提供する。
・地上防衛
戦術通信機器や地上防衛システムを提供する。
米国の地上部隊向けの通信機器や、国際的な防衛プログラムに関連する製品が含まれる。
2.エネルギーおよびプロセス産業
商業用原子力発電所関連のサービスや製品を提供する。
新しい発電所の建設に関連する発電所の計画、設計、建設、運営開始に至るまでの一連のサポートや、アフターマーケット(運転開始後に必要となるメンテナンスや部品供給)が含まれる。
化学・医薬・食品・鋼鉄などのプロセス産業における流体制御や製造工程の最適化に必要な機器やサービスを提供する。
3.一般産業
トラクター、ブルドーザー、ショベルカー、フォークリフトなどの作業車両のための動力伝達システム、サスペンションシステム、制御システム、電動・油圧アクチュエーターなどを提供する。
現代の戦争や防衛戦略において重要な役割を果たしている埋め込みコンピューティングや戦術通信機器の需要が特に高まっています。
航空宇宙および防衛分野では製品の高い信頼性と安全性が求められますが、同社は厳しい品質基準を満たす製品を提供してこの要求に応えています。
防衛装備品は一般的に民生品と比べると価格を高く設定できる、利益率が高い、需要が安定しているなどのメリットがあります。
その理由は主に
・高度な技術や専門知識を必要とするため、製品自体の付加価値が高くなり販売価格も高く設定される。
・市場が限られていて競争が少ないため、メーカーは高い利益率を維持しやすい。
・特定の国や政府との契約が多いため安定した収益が見込める。
・長期的な契約が多くメンテナンスやアップグレードも含まれることが多いため継続的な収益が得られる。
・高額な研究開発費を回収するために製品の価格設定が高くなるのが一般的で、利益率の向上につながりやすい。
・多くの国では防衛産業に対する政府の支援や補助金があり、利益率を上げている。
などの要因によりますが、何よりも国家の安全保障を担うという最優先事項に関わっているというのが根底にあります。
同社の航空宇宙および防衛部門は、技術革新と高い品質基準を基に、この重要な市場のニーズに応える製品とサービスを提供することで確実な成長を遂げています。
昨今のパレスチナやウクライナなどの世界各地での紛争や緊張の高まりを受けて、各国で防衛予算が増大しています。
こうした状況によって防衛装備品の需要が高まるということは、その裏で数多くの悲劇を招いているのも事実で、この問題は憂慮すべきです。
兵器が必要のない平和な世界が理想であることに間違いありませんが、現実はそうなっておらず、むしろ世界は逆の方向へ走りつつあります。
ただし、同社の技術には兵士の命を守る装置やシステムも含まれており、これによって戦場での生存率が向上し、無駄な犠牲を減らすことが期待できます。
また、防衛装備品には紛争を抑止する一定の効果があるのも事実で、一概に否定できないという複雑な側面もあり、難しい問題となっています。
会社ウェブサイト
https://www.curtisswright.com/
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