アメリカ成長株:チャーチル・ダウンズ(Churchill Downs)の概要
チャーチル・ダウンズ
Churchill Downs Incorporated
ティッカーコード:CHDN
上場市場:NASDAQ
業績についてのリンク
https://stocks.finance.yahoo.co.jp/us/annual/CHDN
ギャンブルは、大きな産業です。最近日本でも、世間を騒がせているIR。ギャンブルのマイナス面をしのぐ経済的なプラス面があるからこそ、総合レジャー施設の建設を日本政府も進めたいのです。
日本では従来から「ばくちは悪で、お上が庶民を管理すべき」という発想です。このため、競馬、競輪、競艇などは国・地方自治体が関係する法人で、運営されています。しかし、アメリカの場合には、ギャンブル関係の会社は堂々と上場しています。以前紹介したエルドラドは、カジノ経営をしています。
エルドラドについてはこちら
今回紹介するチャーチル・ダウンズは、もともと「競馬場の経営」がスタートでしたが、現在は、カジノ、オンライン・ギャンブル、など幅広く経営している会社です。
まずは競馬です。世界で一番有名なレースの一つである「ケンタッキー・ダービー」が開催されている競馬場、それが「チャーチル・ダウンズ競馬場」です。(本場英国や日本のダービーは約2400メートル=1.5マイルの芝での競争ですが、アメリカを代表するケンタッキー・ダービーは1.25マイルで馬場もダートでの競争となります。)同社は、この競馬場の経営からスタートしました。
第一回のケンタッキー・ダービーは1875年5月17日に開催されるのですが、当時はジョッキークラブの形態をとっていました。その後1928年に会社形態を持つ親会社の一部となり、何度かの経営形態の変更の後、1942年に現在の社名であるChurchill Downs Incorporatedとなりました。
その後、いくつかの競馬場の買収、売却を得て会社は成長しました。しかし、その後単に競馬場を保有するだけではなく、オンライン経由での馬券販売、競馬場以外のギャンブル=カジノの取得、競馬場にカジノを付け加える(Race + Casino= Racinoといいます)に事業を拡大させ、成長を続けています。
このような事業の拡大は、競馬市場(=掛け金の総額)自体が、長期的に低迷していることが背景です。同社によれば、この10年間、米国での市場全体の売上はほとんど成長していません。このため、以下のような戦略を持っています。
1)ケンタッキー・ダービーは、単なる競馬に終わらせない。大きなスポーツイベントとして売出し、豪華な場所を提供し、馬券以外(=ホテルや付随するエンターテインメント)の売上を増加させる。
2)ケンタッキー・ダービーのようなステイタスのあるレースを持たない競馬場は、カジノを付け加えることで、一人当たりの売上を伸ばす
3)さらに、オンラインで馬券購入する割外が増加しているため(この10年間で、オンラインのシェアは10%→33%)、オンライン分野に注力する。
4)競馬以外のギャンブル産業に進出するため、既存のカジノを購入する
オンライン・ギャンブル事業については、TwinSpiresというサービスを提供しています。(残念ながら、日本からはアクセスできませんが)TwinSpires経由で、352の競馬場の19万を超えるレースに賭けることができます。その中には、日本を含む14か国の競馬も含まれます。時差と休日の違いがあるため、「1年365日、24時間、競馬が楽しめる」わけです。
歴史は非常に長いのですが、野心的なチャーチル・ダウンズ社。今後も成長が期待される会社です。
会社のIRのウェブサイト
http://ir.churchilldownsincorporated.com/
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