アメリカ成長株:ニュータニックス(Nutanix)の概要
ニュータニックス
Nutanix Inc
ティッカーコード:NTNX
上場市場:NASDAQ National Market System
業績についてのリンク
https://finance.yahoo.co.jp/quote/NTNX/performance
ニュータニックス社は、金融機関、小売業者、製造業、医療機関、教育機関など、様々な業種の大手企業から導入されている、便利で効率的なクラウドサービスを開発・提供するソフトウェア会社です。
世界各地で事業を展開しており、欧米諸国から中国、日本にもオフィスを置くグローバル企業です。
同社のサービスは、エンタープライズクラウドプラットフォームである“Nutanix Cloud”によって提供されます。
エンタープライズクラウドプラットフォームとは、ビジネスに必要なITインフラをクラウド環境で提供するための包括的なITソリューションのことです。
クラウド環境での複数のサービスや機能を統合することでIT運用を効率化し、柔軟性を高めます。
クラウドと言えば、一般的にはグーグルやアマゾンが提供するようなパブリッククラウドサービスが思い浮かびますが、企業が独自で自社内にクラウドを構築する場合があり、これをプライベートクラウドと呼んでいます。
また、プライベートクラウドとパブリッククラウドを柔軟に組み合わせたハイブリッドクラウド環境も増えてきています。
エンタープライズクラウドプラットフォームには以下のような特徴があります。
・ハイブリッドクラウド対応
自社のプライベートクラウドとパブリッククラウドを統合し、ハイブリッドクラウド環境を構築・管理できるようする。
・セキュリティとコンプライアンス
企業向けの高機能なセキュリティ機能と、法規制や業界基準などのコンプライアンス要件を満たす機能により大切なデータを守り、法的リスクを軽減する。
・スケーラビリティと柔軟性
ビジネスの規模やニーズに合わせて必要なリソースを柔軟に増減することで無駄なコストを抑え、最適なパフォーマンスを実現する。
・自動化と運用効率化
サーバーの構築、設定、パッチ適用などの自動化や分かりやすい画面操作での運用を実現し、管理タスクの簡素化と効率化により管理者の負担を大幅に軽減する。
・災害時の業務継続
データセンターが被災した場合も業務を継続できるように、すぐに災害から復旧できる機能や強固なシステムを提供する。
同社のNutanix Cloudは、従来のITインフラが抱えていた運用の複雑さの問題を解決するために開発されたソフトウェアベースのクラウドプラットフォームです。
Nutanix Cloudには以下の製品が含まれています。
Nutanix Cloud Infrastructure (NCI):
強力で安全なクラウドの基盤を提供するシステムで、どんな種類のクラウド、アプリケーションやどんな規模のデータでも扱える。
会社の規模にかかわらず最適なクラウド環境を構築できる。
Nutanix Cloud Manager (NCM):
クラウドの管理を助けるツールで、自動的に運用を最適化し、セキュリティを確保し、クラウドのコストを管理できる。
Nutanix Cloud Clusters (NC2):
アプリケーションや仕事の量の増減に合わせてクラウドの設定を簡単に変更できるツールで、ビジネスのニーズに応じてクラウドを柔軟に使える。
Nutanix Unified Storage (NUS):
データを保存するための場所を提供するシステムで、特にランサムウェア(人質型ウイルス)から保護する機能が組み込まれている。
これらの製品は企業がハイブリッドクラウド環境において効率的な運用とデータ管理を実現するための機能を提供しています。
ハイブリッドクラウドは、プライベートクラウド、パブリッククラウドをそれぞれ単独で使う場合よりも、両方の利点をうまく活用できる点で有利です。
プライベートクラウドは初期投資が大きくなりますが、機密情報の漏洩を防いだり、独自のニーズに合わせてカスタマイズできるメリットがあります。
一方、パブリッククラウドは初期投資が小さく、ランニングコストは必要最低限に抑えられます。
ハイブリッドクラウドは、それぞれのメリットを活かしてワークロードの種類や利用頻度に応じて、プライベートとパブリックを使い分けられます。
機密性の高いデータや常に処理が必要な基幹システムはプライベートクラウドで、アクセス頻度の低いデータや一時的に大量の処理が必要なワークロードはパブリッククラウドで運用することでコストを抑制できます。
ビジネスのニーズは常に変化しますが、ハイブリッドクラウドであれば、ワークロードの需要に合わせてプライベートとパブリックのリソースを柔軟に拡張・縮小できます。
例えば、新商品発売やキャンペーン実施などで一時的にアクセスが集中した場合、パブリッククラウドで追加リソースを調達することによりシステムダウンを防止できます。
需要が落ち着いたらパブリッククラウドのリソースをすぐに解放することで無駄なコストを抑えられます。
プライベートクラウドは情報セキュリティを確保できる反面、自社内でデータセンターを運営するため、一つの災害でデータが全滅する可能性もあります。
一方、パブリッククラウドはデータセンターが複数拠点に分散されるため災害の影響を受けにくいという大きなメリットがあります。
パブリッククラウドにバックアップしておいたデータによって、災害発生時に迅速な復旧が可能となります。
こうした優位性が評価され、ハイブリッドクラウドの重要性や需要は確実に増しています。
これは企業のITインフラ運用に、情報セキュリティ強化、災害対策、コスト最適化が求められるようになったためです。
サイバー攻撃が激化し、気候変動の影響が強まる中、これらは今後ますます重要になる課題ばかりで、ハイブリッドクラウドはバランスよく解決できる意味で最適です。
同社はハイブリッドクラウドソフトウェアのリーディングカンパニーであり、今後もその地位を維持し、さらに強化するために革新的なソリューションとサービスの開発に注力していくことになるでしょう。
会社ウェブサイト
https://www.nutanix.com/
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