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アメリカ成長株:オーチャード・セラピューティクス(Orchard Therapeutics) ドナー不要の拒否反応がない遺伝子治療で遺伝病の根本治療を目指す

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アメリカ成長株:オーチャード・セラピューティクス(Orchard Therapeutics)の概要

オーチャード・セラピューティクス
Orchard Therapeutics plc
ティッカーコード:ORTX
上場市場:NASDAQ National Market System

業績についてのリンク
https://stocks.finance.yahoo.co.jp/us/annual/ORTX

遺伝子には人間の体を作るための設計図が書かれていて、この一部に生まれつき欠陥があったり放射線や化学物質で傷つけられたりすると不具合が生じて様々な症状が引き起こされることになります。

この症状は目や耳の感度が劣る程度の軽いものから、ガンになりやすかったり心臓が動作不良を起こしたりするような命に関わる重症のケースまで幅広く、一般的に“遺伝病”または“遺伝子疾患”と呼ばれています。

同社は血液幹細胞に原因があることが分かっている一次免疫不全、遺伝性代謝障害、血液障害などの命に関わる遺伝病を対象にした遺伝子治療を中心に研究・開発をしています。これは患者から幹細胞を取り出して欠陥遺伝子を修復してから体に戻すという方法で、患者自身の幹細胞を使うため適合するドナーを探す必要がなく、拒絶反応がないという利点があります。

同社のStrimvelisR(アデノシンデアミナーゼ-重度複合免疫不全症)はすでに承認済みで商品化されていますが、OTL-200~202(神経代謝障害)、OTL-101~103(一次免疫不全)、OTL-300(ヘモグロビン症)はそれぞれ臨床試験が進行中です。

※詳しくは以下のリンク参照
https://www.orchard-tx.com/CMSUploads/deep-pipeline-of-gene-therapies-2019.jpg

ただし遺伝子治療にも、意図しない場所に遺伝子組み換えが起きてしまう、遺伝子を修復するベクターの製造コストが高いなどのデメリットがあります。

欠陥がある遺伝子は放っておいても自然に治ることはありませんが、遺伝子治療で一度修復してしまえば再発することはほぼあり得ません。そういう意味では“根本治療”であると言えますが、それ故に事業として利益を出す難しさがあるというのも事実です。治療対象となるのは患者が少ない“難病”が中心である上、一回の治療で完治してしまうこともあって継続的な治療によるコスト回収が見込めないのです。

患者を救うという点では理想的な治療法ではあるのですが、採算性の面から見た場合に持続可能な事業であるかについては疑問があります。

しかし、ヒトゲノム解析が終了し、個人のゲノム解析も一日でできる時代になり、遺伝子疾患の原因究明が容易になったことで治療対象の幅も広がってきました。また、狙った場所のDNAを正確に切り出す“ゲノム編集”も登場するなど遺伝子治療に関連する技術革新が進んでいてコストダウンが一気に進む可能性もあることを考えると、一概に不採算事業と言い切るのはまだ早いかもしれません。

会社ウェブサイト
www.orchard-tx.com

 

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