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アメリカ成長株:ネクストラッカー(Nextracker):太陽光パネルの制御システムを提供

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アメリカ成長株:ネクストラッカー(Nextracker)の概要

ネクストラッカー
Nextracker Inc
ティッカーコード:NXT
上場市場:NASDAQ National Market System

業績についてのリンク
https://finance.yahoo.co.jp/quote/NXT/annual

世界中で異常気象が頻発するようになり、地球温暖化防止策として二酸化炭素の排出を減らすために自然エネルギーを普及させる政策が各国で進められています。
欧米では着々と自然エネルギーの導入が進み、EUでは化石燃料による発電量を自然エネルギーが超えていて、アメリカでは2011年と比較して風力発電は3倍、太陽光発電は23倍までになっています。
日本でも、総発電量に占める割合が2010年まで10%ほどで推移していた自然エネルギーが東日本大震災を機に増加に転じ、現在は20%を超えていて、その約半分を太陽光発電が占めています。

自然エネルギーの代表的な存在でもある太陽光発電ですが、メガソーラーと呼ばれる大規模発電施設は、森林伐採、周辺環境の悪化、土砂災害の誘引、日光の照り返し、景観の損失、パネルの廃棄などの問題が指摘され、迷惑施設扱いまでされる始末で、特に土地面積が限られている日本ではあまり良いイメージがありません。
また発電方法としても、発電量が気象条件や日照時間に左右され安定供給が難しい、夜間は発電できない、冬場や雨期に発電量が減るなどの課題を抱えているのも事実です。

こうした課題を解決するため、電気を貯めておく技術や発電効率を上げる技術の開発が進められています。
水力(80~90%)、風力(30~45%)などのその他の自然エネルギーと比べて、太陽光発電は15~20%と発電効率の面で若干劣っていますが、理論上30%以上が可能とされていまいす。

今回紹介するネクストラッカー社は、太陽光パネルの発電量を最大化し、様々な悪天候下でも信頼性の高い運用をするため、以下のようなハードウェアとソフトウェアソリューションを開発し提供しています。

ソーラートラッカーシステム:
・横につながった鉄棒のような軸に、太陽光パネルを設置して太陽の高度に応じてパネル面の角度を制御
・固定型の太陽光パネルと比べて、10~25%発電効率が向上
・強風や嵐が予測される場合はパネルを水平に、大雪や雹には垂直にすることで悪天候や異常気象(ハリケーン、強風、雹、洪水、雪、極端な気温)に対処

Bifacial PV modules(両面受光型太陽光発電):
・太陽光パネルの裏側にもパネルを貼り、地面から反射する太陽光も利用することで発電効率が5~20%向上

NX Navigator(太陽光発電運用システム):
・高度なリモート監視機能により、天候災害リスクを軽減
・太陽光発電所のデータをリアルタイムで収集し、監視・分析・制御によって発電効率を最適化

TrueCapture(ソーラートラッカー制御システム):
・太陽光の追跡アルゴリズムとインテリジェンストラッカー追跡システム
・太陽光発電のパフォーマンスを最大化し、発電コストを下げることで財務上の利益を最大化

太陽光パネルの開発は世界各地で盛んに行われていて、より安くより軽くより効率の高いパネルを目指して熾烈な競争が繰り広げられています。
同社は太陽光パネルの開発や製造自体には関わっておらず、こうした競争には巻き込まれずに済んでいます。
太陽光パネルの開発以外にも発電効率を上げ、コストとリスクを下げるためのソリューションも重要です。

同社は太陽光パネル以外の部分に特化することでこの業界をリードしており、世界中の大規模から分散型のソーラープロジェクトに参加しています。
太陽光パネルの角度を自動制御するソーラートラッカーシステムは設置費用が高く、メンテナンスも必要なことから、米国でもそれほど導入が進んでおらず、日本ではほとんど見かけることはありません。
しかし気候変動が顕著になり、気象条件が厳しくなりつつある今は、強風、雹、大雪による太陽光パネルの破損リスクが増しています。実際、日本の太陽光事業者のおよそ9割が自然災害による損害が年々増加していると回答したとの調査結果もあり、太陽光パネルを災害から守る重要性が増しています。

高まる自然災害リスクを考慮すると、コストをかけてでも対策を講じる必要が生じてきており、同社のような防災システムを使わざるを得ない状況が広がっていくのは可能性が一段と高くなると思っています。

会社ウェブサイト
www.nextracker.com

 

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