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アメリカ成長株:バイオミア・フュージョン(Biomea Fusion):共有結合阻害剤を開発

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アメリカ成長株:バイオミア・フュージョン(Biomea Fusion)の概要

バイオミア・フュージョン
Biomea Fusion Inc
ティッカーコード :BMEA
上場市場:NASDAQ National Market System

業績についてのリンク
https://finance.yahoo.co.jp/quote/BMEA/annual

バイオミア・フュージョン社は、主にガンや白血病のための新しい低分子治療薬を開発しています。
低分子治療薬は、病気の原因となる物質に作用し、その働きを抑える目的で使用される小さな分子の薬剤で、阻害剤とも呼ばれています。
その作用には可逆的と不可逆的の2つのパターンがあり、現在使われている低分子治療薬のほとんどは可逆的なタイプです。

可逆的阻害剤は効果がマイルドで調節しやすいのですが、継続的に投与する必要があります。
不可逆的阻害剤には標的物質の一部分を少し変化させるタイプと、阻害剤自体が標的物質に結合する2つのタイプがあります。
同社が開発するのは、後者の標的物質に結合するタイプで“共有結合阻害剤(コバレントドラッグ)”と呼ばれています。

化学結合には主に、共有結合、イオン結合、水素結合がありますが、プラスとマイナスが静電気力で引き合うイオン結合や水素結合よりも、共有結合の方が強力で安定しています。

共有結合阻害剤は
・一度結合すると解離しないため、長時間効果が持続し、低い濃度で使われるため薬剤耐性が出にくい
・標的物質の固有の構造部分に作用するように設計されるため高い選択性を持ち、副作用が出にくいという大きな利点を持っています。

ただし共有結合阻害剤の開発は通常の低分子薬よりもハードルが高いのが難点です。
しっかりと結合するため効果が長続きする反面、副作用がある場合には長期化する可能性があり、標的外には作用しないように慎重に分子構造を設計する必要があります。

さらに薬剤と標的物質が結合する付近で、うまく共有結合が形成されるように配慮しなければなりません。
そのためには標的物質の構造を深く理解し、適切な場所を狙い、そこへすっぽりと収まった上に互いの結合ポイントが接近するように薬剤を最適化するという高度な計算、構造知識、医薬化学能力が求められます。

そこで同社は“FUSION System”という共有結合阻害剤のための開発プラットフォームを構築しています。
これは、標的物質のどこを狙うかの選択、有機合成化学、化合物のスクリーニングと最適化などの開発に必要な一連の技術を統合したものです。

同社の開発薬の中心であるBMF-219はFUSION Systemを用いて設計・合成されたもので、白血病やリンパ腫などの血液ガンと、肺、膵臓ガンなどの固形腫瘍のための治療薬です。
現在臨床試験の第一段階にあり、本格的な実証がこれから行われる予定です。

BMF-219の標的物質は、メニンという転写調節因子で、細胞のガン化を引き起こすシグナル伝達に直接関わるタンパク質です。
メニンは様々なガンの増殖や転移に関わっていて、有望なガン治療薬の開発ターゲットとされています。

現在、実用化されたメニン阻害剤は存在しませんが、レブメニブ、DS-1594、Ziftomenibなどのメニン阻害剤候補の開発が他社によって進められています。実現すれば新しいガン治療薬の選択肢が増え、他の治療との併用療法にも利用できることが期待されています。

FUSION Systemの活用により、従来は困難であった共有結合阻害剤の開発が進み、これまでになかった効果を持つ画期的な治療薬が開発されるようになるかもしれません。

 会社ウェブサイト
www.biomeafusion.com

 

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