アメリカ成長株:アセンディス・ファーマ(ASCENDIS PHARMA )の概要
アセンディス・ファーマ
ASCENDIS PHARMA A/S
ティッカーコード:ASND
上場市場:NASDAQ National Market System
業績についてのリンク
https://stocks.finance.yahoo.co.jp/us/annual/ASND
毒にも薬にもならないという言葉がありますが、毒か薬になるような体に何らかの作用をもたらす物質には大きな価値があり、一般に”生理活性物質”と呼ばれています。
この中には病気の治療に役立つような“新薬になる可能性”を秘めているものも含まれています。一攫千金を狙ってアマゾンの奥地まで生理活性物質を探しに行く“ドラッグハンター”と呼ばれる研究者もいるそうです。
ただし、天然の生理活性物質は分解されやすかったり副作用が強かったりすることがあり、そのままでは薬として使えない場合もあります。
例えば抗インフルエンザ薬で有名なタミフルにはそのままの形では吸収されにくいという欠点があり、分子構造の一部を変えることで吸収率をアップさせているのですが、このように元の薬の分子構造に手を加えて作られた薬のことを“プロドラッグ”と言います。
プロドラッグの目的には
・吸収率を上げる
・効果を長引かせる
・副作用を下げる
・目的の場所まで届ける
・苦味などの飲みにくさを和らげる
・保存期間の延長
などがあります。
この“プロドラッグ化”には、薬の分子の一部を変えたり別の分子を付け加えたりするなど様々な方法があります。
同社は、トランスコンテクノロジーという独自のプロドラッグ化の技術を使って
TransCon hGH(ヒト成長ホルモン)
TransCon PTH(副甲状腺機能低下症治療薬)
TransCon CNP(軟骨無形成症治療薬)
TransCon Treprostinil(肺動脈高血圧症治療薬)
TransCon Peptides(糖尿病治療薬)
TransCon Ranibizumab(眼科治療薬)
などの徐放性プロドラッグを開発しています。
トランスコンテクノロジーは、薬の分子をカプセル状の大きな分子の中に閉じ込めるような形でつなぐもので、これにより効果の持続時間を延長させて、さらにその延長時間をコントロールすることも可能です。分解され放出される薬の分子は元の形を完全に維持しているため100%の効果を発揮することができます。例えばTransCon hGHは、毎日服用する必要があるヒト成長ホルモンを一週間に一度で済むように改変したプロドラッグです。
プロドラッグ化には薬のリニューアルもしくはバージョンアップという面もあり、薬の持つ潜在能力を最大限に引き出すことができます。
このプロドラッグ化の技術がさらに進化すれば、新規の生理活性物質だけでなく、既存の薬からも全く新しい機能を持った薬が登場することになるかもしれません。
会社ウェブサイト
www.ascendispharma.com
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