アメリカ成長株:シルバーゲート・キャピタル(Silvergate Capital)のアップデート3
シルバーゲート・キャピタル
Silvergate Capital Corp
ティッカーコード:SI
上場市場:NYSE
業績についてのリンク
https://stocks.finance.yahoo.co.jp/us/annual/SI
シルバーゲート・キャピタルについては、過去3回(2021年7月、2022年2月、2022年5月)に取り上げています。デジタル通貨(暗号通貨、仮想通貨など)に特化した銀行です。
デジタル通貨が今後新しいアセットクラスの一つになるのかどうかは、投資を行うすべての人に重要であると思っています。このため、デジタル通貨関連業界のエコシステムの重要な会社であるシルバーゲート社は、単なる一企業を超えて、投資全般に影響を与えると考えています。
ビットコインが歴史的な急落をした2022年第2四半期。デジタル通貨関連株であるシルバーゲートの株価も160ドルから50ドルまで急落しました。
2022年7月19日に、注目の2022年第2四半期(4月~6月)の決算が発表となりました。
結果は以下の通りでした。かなり良い内容でした。
2022年Q2 | 2022年Q1 | 2021年Q2 | |
純売上 (百万ドル) | 38.6 | 27.4 | 20.9 |
EPS (ドル) | 1.13 | 0.79 | 0.8 |
デジタル通貨顧客数(四半期末) | 1,585 | 1,503 | 1,224 |
SEN*の取扱高(10億ドル) | 191.3 | 142.3 | 239.6 |
SEN Leverage (10億ドル) | 1.4 | 1.1 | 0.258 |
デジタル通貨顧客からの手数料
(百万ドル) |
8.8 | 8.9 | 11.3 |
デジタル通貨顧客の預金
(10億ドル) |
13.8 | 14.7 | |
純金利差(資産運用―預金、%) | 1.96 | 1.36 | 1.16 |
*SEN : Silvergate Exchange Network
第2四半期の決算から言えることは
・預かっている法定通貨の額はあまり減っていない
・預かっている法定通貨の運用は、金利上昇でリターンが増加した
・デジタル通貨を担保にした法定通貨の貸し出しは、「今のところ」不良債権化していない
2022年4月~6月は、ビットコインの価格が急落し、デジタル通貨関連企業にとっては「史上最悪」の四半期でした。著明なファンド(スリー・アローズ)は破綻、著名な貸し出し機関(セルシウス)も破綻。取引所の中には人員削減を発表・・・等々。
シルバーゲートも厳しい業績が懸念され、株価は1/3まで急落しました。
担保となっているデジタル通貨が急落したため、「不良債権が増えているのでは?」「ただ表面化していないだけでは?」という心配がありますが、現時点では問題なく好業績を継続しています。
但し、他のデジタル通貨関連企業とは異なり、シルバーゲートは「正真正銘の銀行」であり、「従来」の金融ワールドのメンバーでもあります。このため、他の銀行に求められる各種の「規制」に従って経営されています。「自己資本比率」「資産の運用規律」等々があり、セルシウス等の「規制されていない貸し出し企業」とは大きく異なります。
しかし一方で、従来の金融の世界とデジタル通貨の世界の接点にある企業でもあります。
デジタル通貨は24時間365日取引をしています。デジタル通貨に交換所に送金したくても、通常の銀行は週末や真夜中は対応できません。
シルバーゲートは取引所への法定通貨のやり取り(=SEN)を、24時間365日行います。デジタル通貨への取引の待機資金として法定通貨を預金として預かっています。さらに、デジタル通貨を担保にして、法定通貨の貸し出し(=SEN Leverage)も行います。
(一方、預かっている法定通貨には、ほとんど利子をつけていませんが、一方でシルバーゲートは短期国債などで安全運用しています)
ビットコインが7万ドル近くから、19000ドル割れまで急落しました。しかし、今のところ問題なく成長を続けています。引き続き注目したい会社です。
会社ウェブサイト
https://www.silvergatebank.com/
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