アメリカ成長株: ボイジー・カスケード(Boise Cascade)の概要
ボイジー・カスケード
Boise Cascade Co. (DE)
ティッカーコード:BCC
上場市場:NYSE(ニューヨーク証券取引所)
業績についてのリンク
https://stocks.finance.yahoo.co.jp/us/annual/BCC
ここ数年の間、新型コロナウイルスのパンデミックの影響で木材の価格が高騰していて、この状況は1970年代に起きたオイルショックになぞらえて“ウッドショック”と呼ばれています。
コロナ禍で木材の生産・流通が混乱しているところにリモートワークが進み郊外に住宅を建てる人が増えたことが需給ギャップに拍車をかけた結果と言われています。
この木材価格の上昇に乗じて業績を伸ばしているのが今回紹介するボイジー・カスケード社で、主にエンジニアリングウッド(EWP)と呼ばれる集成材や合板を米国とカナダで製造・販売しています。材木を原木の丸太からそのまま切り出すのではなく、ハウスメーカーが使いやすい形に加工して出荷しています。
エンジニアリングウッドは複数の木材をつなぎ合わせた集成材で強度や耐火性が一定基準を満たした規格品として建物の構造を支える鉄骨のように使えます。
合板はベニヤ板を重ねて張り合わせて作られる板で、同社では長い歴史を持つ“BoiseCascade”というブランド名で展開していて、床、外壁、化粧板のそれぞれのためのグレードが用意されています。
丸太から切り出しただけの木材は強度や品質にバラつきがあるため建材として信頼して使うわけにいきませんが、規格品である合板・集成材はしっかりとした木造建築を建てる上で欠かせないものです。
同社の合板には
・寸法が揃っていて変化しない
・重量当たりの強度が高い
・衝撃、化学物質、温度、湿度の影響を受けにくい
・耐湿性のある接着剤を使っている
・耐久性が高い
という利点があり、長らく建築業界に受け入れられてきた信頼と実績があります。
伐採した木を無駄なく最大限に使うという意味でも合板・集成材は役立っていて、持続可能な社会を目指す今の風潮にも合致しています。
合板の良いところは価格が低く安定している点にありましたが、原材料となる丸太の供給不足から最近では合板までが高騰して“ベニアショック”と言われる状況になってしまうほどです。
平常時であれば合板が価格変動の波に飲まれることはないのですが、それほど材木不足は深刻で長引いているのです。
現在米国では住宅価格と住宅ローン金利が上昇していて、本来なら住宅の需要が下がり、木材価格もそれに合わせて下がるものですが現状ではそうなってはいません。
新型コロナウイルスのパンデミックが想定よりも長引いていて材木供給のサプライチェーンが元に戻らないことや、病害虫による樹木の不作によって供給が追いついていないのが原因と考えられます。
これから家を建てようと思っている人には絶望的な話ですが、ウッドショックが収まるのは当分先の話になりそうで、同社のように貴重な原木を最大限に利用する技術を持つ材木メーカーが頼りにされるような状況はまだまだ続くことになりそうです。
会社ウェブサイト
www.bc.com
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