アメリカ成長株: トップビルド(TopBuild)の概要
トップビルド
TopBuild Corp
ティッカーコード:BLD
上場市場:NYSE (ニューヨーク証券取引所)
業績についてのリンク
https://stocks.finance.yahoo.co.jp/us/annual/BLD
トップビルド社は、全米最大の「建築用断熱材の製造・販売および設置会社」です。もともとは、建設資材・内装用品メーカーであるMasco社の一部でしたが、2015年にスピンアウトしてできた会社です。
主に2つの事業があり、一つは、断熱材を建設現場で設置する作業チームの派遣事業(TruTeam)もう一つは、断熱材を中心とする建設資材の販売事業(Service Partner)です。売上高の比率でみれば、TruTeamは72%、Service Partnersは28%となっています。
もちろんTruTeamは自社の断熱材を設置するため、商品別の売上でみると約80%は断熱材および周辺建設資材となっています。また、クライアントは、一戸建て等の個人向けが78%、商業施設向けが22%です。商業施設には、ショッピングセンター、ホテル、小型オフィス、教育施設、倉庫・配送センター、飛行場、医療施設およびスタジアムやアリーナ等が含まれます。
TruTeamは、全米に200を超える支店網があり、7000人を超える作業員を抱えています。新規着工の住宅市場においては、市場シェアは40%を超えており、市場リーダーと言えます。また、Service Partnersを合わせると、全米で5万をこえる建設会社と提携しています。
一方、商業施設向け事業は、市場シェアはまだ11%と低いのですが高い成長率を維持しており、同社は成長ドライバーとして注力しています。上述した通り、現在の売上高の比率は22%ですが、2015年は16%であり、年率14%~15%程度というかなり高い成長率となっています。
米国内での高い市場シェアと、広範囲の取引ネットワークを背景に、断熱材の原料製造会社(グラスウールや発泡プラスチックのメーカー)に対して強い価格交渉力を持ちます。この事が同社の収益性を高めています。2019年までの過去五年間の年率売上高成長率は10.5%、EBITDAマージンは7%弱→約15%に8.7%もの改善をしています。
米国の場合、人口の増加というマクロ経済の成長ストーリーがあるため、構造的に建設関連企業は成長機会があります。さらに、この成長市場において勝ち組となるべく、同社はここ数年M&Aを積極的に行っています。米国での事業ネットワークの充実、市場シェアの獲得がその目的です。
例えば2020年においてもHunter Insulation(ロング・アイランド、NY州など北東部を拠点とする)、Cooper Glass(テネシー州)Garland Insulation(テキサス、コロラド州)など、買収を継続しています。
2020年はコロナの影響で、前半はかなりスピードダウンしました。しかし、それでも2020年9月までの9ヶ月では増収(前年同期比+1.8%)、修正営業利益は18.2%もの増益になっています。営業利益マージン、EBITDAマージンはそれぞれ1.8%、2.2%もの改善をしており、好調を持続しています。
建設用断熱材というニッチな市場ですが、一貫した売上成長+利益率の改善を続ける、優良な成長企業です。
会社ウェブサイト
https://www.topbuild.com/
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