アメリカ成長株：クレイトス・ディフェンス＆セキュリティー(Kratos Defense &Security)の概要
軍事関係の様々なシステムを扱うIT企業
クレイトス・ディフェンス＆セキュリティー・ソリューション
Kratos Defense & Security Solutions
ティッカーコード：KTOS
上場市場：NASDAQ
業績についてのリンク
https://stocks.finance.yahoo.co.jp/us/annual/KTOS
＜クレイトスという名前について＞
欧米には、古代ギリシャやローマ時代の名前や地名を使った名前が多くあります。また、同じ名前が、ギリシャ読み・ローマ読み・英語読み（もちろん仏語・伊語・独語・・・）によって読み方が異なります。例えば、カエサルとシーザー、ヘラクレスとハーキュリーズ等です。今回の紹介するクレイトス社も、ギリシャ語読みだとクラトス社となります。この会社はアメリカの会社なので、社名は英語読み、背景となる神話はギリシャ語読みで書きます。
このクラトス（英語はクレイトス）は、ギリシャ神話の神様の名前です。ギリシャ神話には2種類の神様がいます。一つは「オリンポスの神様」もう一つは「タイタン」という一世代古い神様です。ゼウス、ポセイドン、アポロ、アフロディーテ等はオリンポスです。しかし、ゼウスの両親などの古い世代はタイタンとなります。
オリンポスの神様達とタイタンは、「ティタノマキア」という戦争をして、最終的にオリンポスが勝ちました。その時、一部のタイタンはオリンポス側に味方したり、寝返りしたりしました。その「オリンポス（ゼウス）側のタイタン」の一人が、この「クラトス」という神様です。「力（ちから）」を擬人化した神様でした。このクラトスはあまり有名ではありません。唯一有名なのは、「プロメテウスを岩山にしばりつけた」という事ぐらいです。
前述のように、クラトスはタイタンであるにも関わらず、ティタノマキアでゼウス側に立ったため、ゼウスの子分になることができました。その後、「ゼウスの言いつけを破って、人間に炎を与えたプロメテウス」をゼウスが罰する時に、ゼウスの指示でプロメテウスを岩山にしばりつける役を仰せつかりました。それも「岩に手を釘づけする」「鎖で身動きできなくする」など、ゼウスの指示した内容より、さらに厳しい対応で執行しました。
このため、このクラトスは、もともとは単に「力（ちから）」を意味していただけでしたが、その後「権力を冷徹に執行する力」という側面が強調されるようになりました。これが、この会社「クレイトス・ディフェンス＆セキュリティー・ソリューションズ社」の社名に使われた理由かもしれません。（尚、クラトスという名前は、ゲームの悪役等にも使われています。単に「強い」という意味でつかわれるケースもあるようです）
＜クレイトス・ディフェンス＆セキュリティー・ソリューションズ社＞
この会社は、もともとは通信インフラ関連企業でした。社名も「ワイヤレス・ファシリティーズ・インコーポレーティド（WFI）」と言いました。しかし、2004年に会社の事業を「米国政府、特に国防関係」に焦点を当てる決断をしました。その後積極的なM&Aを経て、現在は防衛関連IT企業になりました。
現在、以下の6つの事業部門を持っています。
・無人システム事業
・宇宙・訓練およびサイバー分野
・電波（マイクロ派）関連事業
・ロケットサポート事業
・C5ISRモジュラーシステム事業
・タービン・テクノロジー事業
１）無人システム事業
クレイトス社は、無人飛行機や無人装甲車を作るのではなく、これらを動かしたり、攻撃行動を作動させるコンピューター・システムを作ります。
２）宇宙・トレーニング・サーバー事業
宇宙関連事業は、軍事衛星との交信妨害に対するセキュリティー。トレーニング事業は、例えば軍用ヘリコプターの乗務員がサイバー空間を使った訓練の提供。サーバー事業は、サイバーセキュリティー等。
３）電波（マイクロ波）関連事業
レイダーの出力増加部品、軍事衛星と戦闘機との交信部品、GPS、ミサイルが目的を補足するための各種部品などのが含まれます。
４）国防・ロケットサポート事業
多くの分野の装置・コントローラーに対して、コンピューター・システムによる分析・設計を行います。
５）C5ISR関連モジュール事業
C5ISRとは、５つのCとISRの頭文字で始まる、軍隊の統制・指揮・情報管理に関する考え方です。具体的には以下言葉の頭文字となります。
Command
Control
Communications
Computers
Combat Systems
Intelligence
Surveillance
Reconnaissance
要は、兵隊が軍事衛星やレーダーを含む各種の情報をもとに、最適の軍事行動をとれるようにするシステム全体を言います。クレイトス社は、関連するシステムのアップグレード等に関わっています。
６）タービン・テクノロジー事業
ミサイル、ロケットさらに戦闘機などに使用する、次世代の小型タービンの開発を行っています。
アメリカは防衛のIT化を一段と進めています。今後この会社の事業もそれに関連して成長することになりそうです。
リンク
http://www.kratosdefense.com/
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