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アメリカ成長株:オドネイト・セラピューティクス(Odonate Therapeutics) 乳ガン治療のためのタキサン系抗ガン剤を研究・開発

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アメリカ成長株:オドネイト・セラピューティクス(Odonate Therapeutics)の概要

オドネイト・セラピューティクス
Odonate Therapeutics Inc
ティッカーコード:ODT
上場市場:NASDAQ National Market System

業績についてのリンク
https://stocks.finance.yahoo.co.jp/us/annual/ODT

乳ガンは米国人女性の8人に1人が罹患すると言われていて、米国のガン治療における重要課題の一つとなっています。乳ガンの治療は切除手術が基本ですが、取り切れなかったガン細胞が全身に転移することを防ぐために薬物療法が並行して行われます。

乳ガンのための薬物療法の研究が盛んに行われてきた結果、乳ガン細胞の表面にある受容体の中で、“女性ホルモン受容体”と“ヒト上皮成長因子受容体”の2つがガン細胞の増殖に重要な役割を果たすことが分かってきました。受容体とは、細胞の表面に埋まっていて細胞外からのシグナルを受けて細胞内にそれを伝えるタンパク質の一種で、この2つの受容体を機能させないようにすればガン細胞の増殖を抑えられます。

この2つの受容体は乳ガンに必ず存在するわけではなく、それぞれの有無によって4つのタイプ(有有、有無、無有、無無)に分類されていますが、最も多いのが「女性ホルモン受容体が有り、ヒト上皮成長因子受容体が無い」タイプで、乳ガン全体の64%を占めています。

この「有り・無しタイプ」の乳ガンの治療には、(抗ガン剤による化学療法よりも)女性ホルモンが働かないようにする薬を使った“ホルモン療法”が優先して行われてきました。

これはホルモン療法が化学療法に比べて副作用が小さいためです。しかし、ホルモン療法にも
・効果が緩慢なために治療期間が長期化する
・急速に進行する場合に間に合わない
・副作用が長期化する
・妊娠出産に多大な影響を与える
などの問題があるため、化学療法を選択せざるを得ない場合もあります。

このような状況での使用を想定しているのが、オドネイト・セラピューティクス社が開発中のタキサン系抗ガン剤である“テセタキセル”です。以前はホルモン療法が第一の選択肢でしたが、ホルモン療法の欠点を避けるために同時もしくは優先的に抗ガン剤を使うことも増えてきました。

抗ガン剤による化学療法には、吐き気、脱毛、免疫力の低下などのつらい副作用がある反面、短期間で全身に強い抗腫瘍効果を発揮できるという、ホルモン療法にはないメリットがあります。最近では吐き気などの副作用を抑える薬を併用する方法などもあり、依然として抗ガン剤はガンとの闘いにおける重要な武器として使われ続けています。

テセタキセルは、イチイという植物から抽出された“タキサン”という天然化合物から作られる低分子の抗ガン剤で、一から化学合成するよりも低コストで生産できます。タキサン系の抗ガン剤はすでに承認され乳ガンの治療に使われていますが、水に溶けにくい性質のために過敏性反応を引き起こす“可溶化剤”を添加する必要があり、投薬は点滴による静脈注射に限られるという問題もありました。

そこで同社はタキサン系抗ガン剤を改良することで可溶性を高め、経口投与できる錠剤にすることに成功しました。錠剤による投薬は、体に針を刺す恐怖、病院へ行くことによる緊張感や感染のリスク、通院と治療による時間の浪費から患者を開放します。

健全な細胞にまでダメージを与えてしまう抗ガン剤の副作用は長年の問題となっていて、最近では狙った標的だけに作用する“分子標的薬”が開発されガン治療にも使われるようになってきましたが、分子標的薬にも抗ガン剤とは異なった副作用があることが分かってきました。

分子標的薬の登場によって患者は化学療法のつらい副作用から開放されるとの期待も高まりましたが、どの治療法にも一長一短があり、患者の病状に合わせて、切除手術、免疫療法、放射線療法、化学療法、ホルモン療法、分子標的療法などを組み合わせて最良の手段を選ぶというのが現状のようです。

会社ウェブサイト
www.odonate.com

 

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