アメリカ成長株: ファストリー(Fastly Inc)の概要
ファストリー
Fastly Inc
ティーカーコード:FSLY
上場市場:NYSE(ニューヨーク証券取引所)
業績についてのリンク
https://stocks.finance.yahoo.co.jp/us/annual/FSLY
カリフォルニア州サンフランシスコに本社を置くクラウドコンピューティングサービスプロバイダーです。Webサービスの技術基盤を支えるエッジクラウドプラットフォームを提供しています。2011年3月に設立され、2019年5月にニューヨーク証券取引所に上場しました。2019年度の売上は2億46万ドル、従業員は630人です。
ファストリーのサービスは世界の名だたるWebサービスにおいて利用されています。東京にもオフィスを構えており、日本国内では日本経済新聞社・メルカリ・クックパッド・一休、海外ではAirbnb・GitHub・Pinterest・The New York Timesといったサービスで利用されています。
ファストリーは上記のような規模の大きいWebサービスにおいて特に効果が発揮される「エッジクラウド」と呼ばれるプラットフォームを提供しています。
エッジクラウドプラットフォームの「エッジ」とはコンピューターネットワークの端を意味し、インターネットに接続しているユーザーのPCやスマートフォンにより近い場所で処理を行うことによって、Webサービスの負荷を削減したり、高速なデータ通信を実現することができます。
では従来のデータ通信とは何が違うのでしょうか。
従来のデータ通信において例えばWebサイトを表示する際には、URLにアクセスすることでそのWebサイトの情報が保持されているデータセンターに通信を行い、自身のブラウザ上にWebサイトを表示していました。しかしアクセスするWebサイトによってはデータセンターが海外にあるなど、物理的に遠ければ遠いほどその分データ通信にも時間がかかってしまいます。
一方エッジクラウドが用いるエッジクラウドコンピューティング技術によるデータ通信では、遠隔地にあるデータセンターとは通信を行いません。CDNと呼ばれる分散コンテンツ配信ネットワークによって複数地点に設置されるエッジサーバーに予めコンテンツのコピーを配布しておき、ユーザーからネットワーク的に最も近い場所にあるエッジサーバーにアクセスすることによって従来より高速にWebサイトを表示できるようにするという仕組みになります。
ファストリーはこのエッジサーバーを世界各地に設置し、デジタル出版やeコマース、オンラインビデオやミュージックといったWebサービスのためのエッジクラウドプラットフォームを構築しています。またネットワークシステムのセキュリティはもちろん、同時多発的に発生する通信量に応じた負荷分散も行っており、同社のプラットフォームを利用することによって企業が安全で安心してユーザーにWebサービスを届けることができます。
企業向けのサービスであるため、ユーザー側ではあまり日の目を見ないサービスではありますが、普段利用しているWebサービスの技術基盤を影から支えている、なくてはならないサービスとなっています。
会社ウェブサイト
https://www.fastly.jp/
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