アメリカ成長企業

将来面白いことになりそうなアメリカの成長企業を紹介します。

アメリカ成長株投資に興味のある方はこちらへ

アメリカ成長株: ベローナ・ファーマ(Verona Pharma):COPD治療薬を開発

アメリカ バイオ ヘルスケア・バイオ
アメリカ成長株 バイオ関連銘柄

アメリカ成長株: ベローナ・ファーマ(Verona Pharma)の概要

ベローナ・ファーマ
Verona Pharma PLC – ADR
ティッカーコード:VRNA
上場市場:NASDAQ National Market System

業績についてのリンク
https://finance.yahoo.co.jp/quote/VRNA/performance

ベローナ・ファーマ社は呼吸器疾患、特にCOPD(慢性閉塞性肺疾患)の治療薬の開発と商業化に注力しています。
COPDは気道と肺を損傷し、消耗性の息切れを引き起こす進行性で慢性の呼吸器疾患で、多くの患者が長期にわたり症状に苦しんでいます。
患者は症状の持続や重症化を防ぎ、生活の質を向上させるために新たな治療薬を積極的に求めています。
COPDは世界的に重要な医療課題であり、より効果的な治療法の開発と提供が求められている疾患です。

同社が開発する“Ohtuvayre(オーツバイア、商品名)は、ensifentrine(エンシフェントリン)を有効成分とする非ステロイド系のCOPD治療薬です。
既存薬とは異なる作用メカニズムを持っており、気管支拡張作用と抗炎症作用を併せ持つ初の吸入剤として、COPDの治療に新たな選択肢を提供します。

有効成分であるエンシフェントリンは、気管支の細胞にあるPDE3およびPDE4という、細胞内でのシグナル伝達に関わる酵素を同時に阻害することで気管支を拡張し、炎症を抑えます。
1つの分子で2つの酵素を阻害することから“二重阻害剤”と呼ばれており、COPD治療薬としては画期的な存在で、特にステロイドではない点が患者に歓迎されています。

現在、エンシフェントリンはCOPD治療について、継続的な投与によって病状を安定させる“維持療法薬”としては、すでに臨床試験を終えて承認され、オーツバイアという商品名で一般に利用可能になっています。

また、COPD以外の適応症や、異なる投与方法、他の薬剤との併用療法についても、以下のような臨床試験が進行中です。

1.非嚢胞性線維症性気管支拡張症(NCFB)を対象とした第2相試験11
エンシフェントリン吸入剤のNCFB患者における安全性・有効性の評価。

2.エンシフェントリン + LAMA(長時間作用型気管支拡張剤)の第2相試験
エンシフェントリンとLAMAによる併用療法および固定用量配合剤(一つの錠剤に二つ以上の成分を含む配合錠)の安全性・有効性評価(COPD患者対象)。

3.吸入デバイスの多様化に関する前臨床~初期臨床段階の開発
DPI(ドライパウダー吸入器)、MDI(定量噴霧式吸入器)など、ネブライザー(液体薬を霧状にして気管支や肺に届ける医療機器)以外の吸入デバイスでの開発。

これらの中で最も早くFDA承認される可能性が高いのは、1のNCFB(気管支の壁が慢性的に拡張し炎症や感染を繰り返す疾患)を対象としたケースです。
NCFBは米国では未だに承認薬が存在せず、満たされない医療ニーズが高い領域です。
承認されれば、長期管理が必要なNCFB患者の治療アプローチが大きく変わり、医療コストの削減や患者満足度の向上にも寄与することが予想されます。

加えて、同領域における革新的な治療薬として位置づけられることで、同社の競争力強化や医薬品市場における重要な地位確立につながる可能性があります。

その他のケースでも、今後のさらなる臨床試験によって臨床利用の拡大が期待されています。
COPDは費用のかかる疾患であり、米国では年間約500億ドル(約7兆円)もの直接的および間接的な費用が発生しています。
患者は持続的な症状を抱えており、その管理や治療には長期にわたる医療資源が必要です。
治療が難しく、慢性かつ進行性の特性により、多くの患者が頻繁に医療機関を訪れ、多くの薬剤や治療を受けながら生活しています。
治療の最適化や合併症の防止にコストがかかるため、医療システム全体にとって大きな経済的負担となっています。

同社が開発するエンシフェントリンはこうした状況において、長期的な管理コストの削減に寄与する可能性があり、これにより医療システムの負担軽減が期待されています。
特に、エンシフェントリンは従来の治療法よりも患者の症状を効率的に抑えられるため、症状のコントロールや再発防止が促進されます。
結果として入院や緊急対応の必要性を減少させることで、総合的な医療コストの抑制につながる可能性があります。
また、患者の服薬負担の軽減や長期的な健康維持に寄与し、医療資源の効率的な利用を促進すると考えられています。

COPDで苦しむ患者と、医療費の増大が問題化している医療システムの両方にとって救いとなるエンシフェントリンは、今後COPD治療における画期的な存在として、他を圧倒する“ブロックバスター医薬品”へと成長する可能性を秘めています。

会社ウェブサイト
https://www.veronapharma.com/

 

コメント

タイトルとURLをコピーしました