アメリカ成長株:スターリング・インフラストラクチャー(Sterling Infrastructure)の概要
スターリング・インフラストラクチャー
Sterling Infrastructure Inc
ティッカーコード：STRL
上場市場：NASDAQ National Market System
業績についてのリンク
https://finance.yahoo.co.jp/quote/STRL/performance
スターリング・インフラストラクチャー社は、データセンター、製造、eコマース配送拠点などの大規模なサイト開発のための先進的な土木インフラや電気設備の整備サービスを提供しています。
事業は以下の3つの主要セグメントに分類されます。
1.E-インフラ（デジタル・電子インフラ）
・データセンター、製造拠点、eコマース配送センター、倉庫などの大規模用地開発サービス（土木基礎・外構工事および配電・上下水・道路等のインフラ導入）を提供。
・主に東海岸とロッキー山脈地域など全米の主要需要地に対応。
・今年の9月にテキサス州を拠点とする大手電気・機械設備会社のCEC Facilities Groupの買収を完了し、事業のサービス範囲をさらに拡張。
2.建築ソリューション
・住宅・商業施設向けのコンクリート基礎工事、配管工事、測量サービスを提供。
・主要住宅市場に深く根差し、地域に特化した施工とサービスを提供することで、優位性を保っている。
・国内の主要な住宅市場であるテキサス州とアリゾナ州のトップビルダーにサービスを提供。
3.交通インフラ
・ロッキー山脈地域とテキサス州を中心に、道路、橋、空港、港湾、鉄道、排水システムなどのインフラ新設案件を担当。
・州や地方自治体などの公共セクターと連携した大型プロジェクトが多い。
・インフラの構築だけでなく、リハビリテーション（修復）プロジェクトも担う。
この中では、1.のE-インフラが最大かつ最も利益率の高いセグメントであり、事業全体の成長を牽引しています。特に、データセンターやeコマース配送拠点向けなどの必要不可欠なプロジェクトが際立って拡大しています。
これらは、社会・企業にとって代替が効かない極めて重要なインフラです。
これらの施設が停止すると、業務全体や顧客サービス、社会的な活動に重大かつ即時の影響が及ぶため、安定稼働と高い信頼性が強く求められます。
データセンター関連の売上は前年同期比で2倍以上となっていて、急速に拡大するデータ需要により今後も持続的な伸びが期待されます。
このデータセンターの急速な需要増加には、近年の人工知能（AI）の利用拡大が背景にあります。
生成AIや大規模言語モデルの台頭によって、従来のインフラでは処理しきれないほどの膨大な計算資源や電力需要が求められており、高性能GPUや最新の冷却技術を備えたAIデータセンターの建設が世界各地で加速しています。
データセンターは、クラウドサービス、eコマース、医療、金融、自動運転、スマート製造（AIやIoTによる先進的な製造）など幅広い産業活動や社会基盤の要となっており、今後もAIインフラ需要の拡大とともに持続的な成長が見込まれます。
同社のE-インフラ事業はこの潮流を捉えて、最新の技術導入と大規模なサイト開発を推進しています。
これにより、顧客の多様なデータ処理ニーズに応え、収益基盤をさらに強化していく方針です。
こうした高成長分野がE-インフラ部門の受注・収益の持続的な拡大を支えており、今後も同社の主要な成長エンジンであり続けると見込まれます。
また、同社のインフラ整備関連事業は、トランプ政権が進める“バイ・アメリカン（Buy American）”政策と強い関連性があり、その恩恵を受ける可能性が高いと考えられます。
バイ・アメリカン政策は、連邦政府の資金が投入されるインフラプロジェクトにおいて、米国製の資材、鉄鋼、製品の使用を義務付けたり、優遇したりするものです。
同社のプロジェクトは連邦・州の公共資金や政策支援の対象となることが多いため、バイ・アメリカン政策による地場産業優先の恩恵を直接受ける立場にあります。
さらに、同社が手掛ける鉄鋼や建材などの資材調達も、米国の製品を活用することで政策の要件を満たしやすくなります。
こうした政府の投資促進策により同社の受注拡大・業績向上が促進されると見込まれます。
AIデータセンターの需要急増とバイ・アメリカン政策、両方の後押しを受けて、今後同社はこの分野での優位性を発揮し、持続的な成長を続け、米国経済の根幹を支えていくことが期待されます。
会社ウェブサイト
https://www.strlco.com/
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