アメリカ成長株:タンデム・ダイアベティス・ケア(Tandem Diabetes Care Inc)の概要
糖尿病治療のための医療機器で、t: slimというインスリンポンプを開発
タンデム・ダイアベティス・ケア
Tandem Diabetes Care Inc
ティッカーコード:TNDM
上場市場:NASDAQ National Market System
業績についてのリンク
https://stocks.finance.yahoo.co.jp/us/annual/TNDM
今世界では糖尿病の増加が止まらない傾向にあって、患者数が2015年から1000万人増え2017年には4億2500万人にまで昇っていたことが分かっています。この増加は先進国に限らず途上国でも見られていて、共通する原因として不健康な食生活、喫煙、運動不足、肥満、飲酒などが挙げられます。
身近な事で言うと、スーパーの惣菜コーナーを見回してみても分かるのですが、安くて美味しいものというのはとかく糖質が多く含まれているものです。「より安く、より美味しく」を追求していった先にあるのは肥満と糖尿病であり、この傾向は日本に限ったことではなく、経済発展と糖尿病は切っても切れない関係と見ることもできます。
その糖尿病なのですが、一度発症してしまうと血糖値を下げる役割を果たすインスリンの分泌がうまく行われなくなり血糖値が高い状況が長く続くことになります。その結果、血管が傷つけられボロボロになり、失明、腎不全、足の切断などの様々な合併症につながったり、心臓病や脳卒中などの致命的な病にまで発展する可能性もあります。
治療法は、インスリンを自分で注射して血糖値をコントロールすることが基本となるのですが、手間がかかる上に人前で注射器を出すことに抵抗感を感じる、効き方が異なるインスリンを使い分けなければならないなどの問題がありました。そこで登場したのが「インスリンポンプ」という体に装着できるタイプの小型の装置で、これは注射器を使うことなく連続してインスリンを注入できるため患者の負担はかなり軽減されました。
しかし、インスリンポンプの場合でも食事や運動のタイミングに合わせて注入量を調節する必要があって血糖値の上下を気にしなければならないという点は変わりません。同社が提供する「t: slim」というインスリンポンプは更に進化していて、血糖値をリアルタイムで測ることができるモニターと連動しています。測定した血糖値の変化から30分後の値を予測し、それに合わせて追加のインスリンを自動的に注入することができます。患者は血糖値を気にせずに好きなときに食事や運動をすることが可能になり、ほぼ健常者と同じ生活を送ることができるようになります。
現在、糖尿病は特に中国、インドなどの新興国で爆発的に増加していて、糖尿病治療の需要を牽引しています。同社の「t: slim」は2018年のFDA認可を受けてアメリカでの売上が急激に伸ばしており、今後の世界展開でも新興国の勢いに乗った大きな成長が期待されています。
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