アメリカ成長株:アーロンズ(Aaron’s)の概要
アーロンズ
Aaron’s Inc
ティッカーコード:AAN
上場市場:NYSE
業績についてのリンク
https://stocks.finance.yahoo.co.jp/us/annual/AAN
オフィスやイベント用の家具をレンタルするサービスは日本も多くありますが、アーロンズの場合は、「個人向けに家庭で使う家具」をレンタルしています。ベッド、リビングで使う応接セット、ソファー、ダイニングテーブル、テレビ、パソコンやモバイル機材、さらにアクセサリーもレンタルします。
全米で1600もの店舗を持っています。また、自社のウェブサイト+Progressive Leasingというウェブサイトを通じて、ネットでの申し込みも充実させています。アーロンズのウェブサイトに行けば、様々な商品が紹介されています。
会社の消費者向けウェブサイト
https://www.aarons.com/
しかし、事業の主力は「リースやレンタル」そのものではなく、「リース・トゥ・オウン(lease to own)(あるいはレンタル・トゥ・オウン)です。
「リース(レンタル)・トゥ・オウン」とは「所有選択権付きリース(レンタル)」のことです。「当初は借りて、借り賃を支払います。支払った借り賃が一定金額に達したら、借りている物が自分の物になります」というものです。(リースとレンタルには、違いもあるのですが、本論には影響ないので、併記しています)
しかし、リース・トゥ・オウンは、「購入することに比べて、かなり割高になる」という問題があります。例えば、100ドルの物を、「一か月20ドルの借り賃で、7か月借りたら(借り賃の総額が140ドルになったら)、自分の物になります」といった方法があるとします。そんな割高な方法など利用する人などいないのでは?と思います。
しかし、実際にはこの「リース・トゥ・オウン」は非常に大きな市場になっています。背景は「サブプライム」の存在です。「信用の劣る人は月賦で買えない」という問題です。
アメリカの場合、FICOという信用調査があります。過去のクレジットカードの支払実績や資産・収入状況などに基づくスコアです。このFICOスコアが、660点以下だと、「信用状態のよろしくない方」となります。プライム(=上客)の下(=サブ)なので、「サブプライム」という言われる層になります。全米の消費者の約40%がこの層にあるようです。アーロンズによれば、2.5兆円~3.5兆円という膨大な市場だそうです。
購入の場合は、「まず自分の物になる→支払いを後でする」となります。所有権は消費者に移っています。だから購入後は、「リスクは売却した側、あるいはクレジットカード会社側」になります。
一方、リースの場合は、リース料が払えなくなれば、その家具をすぐに取り返せることになります。「利用している間に汚なくなったり、陳腐化するリスクがあるため、その分使用料は割高に設定」されています。もちろん、リースで借りて、きれいなうちに、中古屋に売り払う犯罪行為の可能性があります。当然ながら、アーロンズはこの類の犯罪行為に対応すべく、「詐欺防止専門スタッフ」等も雇っています。
日本にも以前は「サラ金」と言われた成長産業がありました。武富士、アイフル、アコム・・・等の多くの企業が個性的なテレビCMを出して、成長を競った時代がありました。日本の場合には、貸出金利の問題があり、こういった会社はほとんど潰れました。(しかし、最近では銀行の子会社のローン会社が、個人向け融資をして社会問題となりましたが)
アメリカの場合には、アーロンズのような「個人向けに、物のレンタルを通じて金融に近いサービス」を行っている会社があるのです。サラ金+ホームセンターが融合したような会社であると思えば、理解しやすくなります。クレジットカードが使えない層が、「自分の気に入った家具や機材を手に入れたい」と思った場合、どうしてもアーロンズのようなサービスを使わざるを得なくなります。バイオやITとは違うストーリーですが、確実に成長している企業です。
会社のITウェブサイト
http://investor.aarons.com/investor-overview
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