アメリカ成長株:アクソン(Axon)の概要
アクソン・エンタープライズ
Axon Enterprise Inc
ティッカーコード:AAXN
上場市場:NASDAQ
業績についてのリンク
https://stocks.finance.yahoo.co.jp/us/annual/AAXN
アクソン社は、主に米国の警察が使用するスタンガンやボディーカメラを製造している会社です。
もともと、NASAの研究員であったジャック・カバー氏が1974年にスタンガン(TASER:テーザー銃)を開発したことから始まります。社名もTaser Systemでした。事業は一度頓挫しますが、1991年にリック兄弟とともに新たな会社、Air Taserを立ち上げました。その後Taser Internationalと社名を変え、2001年にIPOしています。
テーザー銃は、弾丸の代わりに「ワイヤーがついた針」が発射され、敵に突き刺さって、ワイヤーから電気が流れて、相手を感電させるものです。Youtubeに「テーザー銃」と入力すれば、様々な動画を見ることができます。
米国の多くの警察に採用されています。米国の主要69都市の警察の内、ニューヨーク、ロサンゼルス、ラスベガス、ダラスなど47都市(68%)が当社のテーザー銃をしており、圧倒的な市場シェアを押さえています。
しかし、当社は「単なるテーザー銃を製造する会社」から「より安全・公正に治安維持に貢献する会社」への変革を図ろうとしています。犯罪発生を知らせる緊急コールが入ってから、犯人逮捕、さらに裁判で判決が下りるまでの一連のプロセスを、「安全・公正」に進めるための機材・器具の開発をしています。
具体的には、テーザー銃、警察官が胸につける録画カメラ(ウェラブル・カメラ)、ドローンを使った空撮器具、警官の行動を多元的に記録したデータを管理するソフトウェア、を組み合わせる方法です。当社のウェブサイトには、「理想的な犯罪者逮捕のパターン」のビデオが掲載されています。
「安全」の部分は、テーザー銃により犯人を射殺しないで、拘束につなげることで達成できます。「公正」の部分は、「犯人に対する武器や暴力の使用状況が映像で記録されている」ことで、達成されます。そして、これらが一つのデータとして裁判で示されることで、効率も向上します。
「公正」については、2014年に起こった「マイケル・ブラウン氏の射殺事件」が、大きなきっかけとなっています。当時18歳の黒人青年ブラウン氏が、白人警官と言い争いになり、結果的に射殺された事件です。「本当に射殺すべき状況であったのか?」が問題になりました。警察も武器を使用するには、それなりの状況・理由が客観的な視点でチェックする必要性が出てきました。この点、ウェラブル・カメラやドローン空撮による映像記録は、非常に重要となります。
単なる「テーザー銃製造会社」から、より広範囲に「犯人逮捕・裁判への資料提出までカバー」することを目指したことで、当社の事業範囲は一気に拡大しました。そして、この流れで、2017年に社名もテーザー→アクソンへと変えています。
アメリカは凶悪犯罪が多いため、警察は危険にさらされています。しかし、一方で警察の行動にも公正さが求められます。当社製品へのニーズは、今後とも高くなるのではと思っています。
会社ウェブサイト
https://www.axon.com/
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