2020年4月9日の米国小型成長株インデックス(Russell 2000 Growth)は、864.79で終わりました。一週間前に比べて、124.80ポイントの急反発(+16.87%)でした。主要インデックスのNYダウ(前週末比+12.67%)やSP500(前週末比+12.10%)に比べてもかなりのアウトパフォームでした。しかし、一週間前がちょうど4%程度のアンダーパフォームであったため、この2週間でほぼ同程度のリターンとなっています。
新型コロナ肺炎は相変わらず感染が広がっていますが、米国・欧州の感染スピードが鈍ってきたとの見方からやや安心感が広がり、金融・財政政策の買い支え材料をより前向きに消化する相場となりました。
但し、本質的には「金融・財政政策で時間を稼いでいる間に、既存薬(あるいは治験薬)を使った効果的な処方箋がでてくるのを待っている」という局面であると思っています。(新規の特効薬やワクチンの開発はまだ時間がかかるため)
今回の下落局面の下落率・反発率を「週末ベース」でみるとピーク=2月14日、底=3月20日、現時点までの戻り=4月9日を比較すると、以下の通りです。
① ピーク→底までの下落率 (2月14日→3月20日)
② 底→現時点までのリバウンドの大きさ (3月20日→4月9日)
③ ピーク→現時点までの下落率 (2月14日→4月9日)
インデックス | ① | ② | ③ |
NYダウ | -34.78% | +23.71% | -19.32% |
S&P500 | -31.81% | +21.04% | -17.46% |
ラッセル2000成長 | -38.21% | +23.31% | -23.80% |
米国小型成長株は、主要インデックスに比べて同程度の反発をしているものの、ピークから底値までの下落が大きかったため、ピークと現在の水準を比較すると(③の数字)、まだかなり割安であると言えます。
ただし、
1)下げに対する反発の割合(戻り率=いわゆるXX割り戻し)は、どの指数も40%程度になり、かなり戻ってきた(戻り率は、ダウ=44.46%、SP500=45.1%、ラッセル2000成長=37.7%)
2)実態経済・企業業績の悪化が数字で表れ、「バリュエーションの基準」が見えてくるのはこれから
3)そもそも、「本当の解決=薬やワクチン」が出ない状況では、本当の買い相場は来ない
という状況を考えると、戻りもそろそろ良い時期に来たのでは?と思っています。短期的に個別銘柄の売買をする投資家(かつ3月中旬からこれまで買いポジションを取れた投資家)は、そろそろ短期的な利食いを考えても良い時期と思っています。
一方で、長期的視点でみれば、依然として米国小型成長株はかなり割安であると思っています。このため、長期的な視点で投資する投資家は、(3月13日のコメントから変わりませんが)、実績のあるファンドマネージャーが運用している米国小型成長株ファンドを、時間分散=毎日少しずつ購入、を継続すべきと思っています。「コロナ後(After Corona)」は「コロナ前(Before Corona)」とは、かなり違う時代・社会となりそうです。その動きが読める経験豊富な運用者に委託するのが良いと考えています。
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